フューネラルドゥーム追っかけブログ。
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徹底された無機質さに侵食されるノルウェーのフューネラルドゥーム HJARNIDAUDI 『Pain:Noise:March』 ┃ノルウェー ┃1stアルバム ┃ジャンル/ドローン/フューネラルドゥーム ┃リリース/2006年 ┃レーベル/Paradigms Recordings ┃バンドキャンプ/http://hjarnidaudi.bandcamp.com/ ノルウェーの独りドローン/フューネラルドゥームバンドの1stアルバム。全3曲42分。 作り手の表情が読めない作品はいくつかありますが、これもその類。 曲の構造はフューネラルドゥームのフォーマットに沿ったもので、パートによってはトレモロなども絡んでくる作りであるものの、硬質な音作りもあってか無機質な印象しか与えてきません。とにかく音の先に作り手の表情がまったく見えないので、思わず人間が作ったものかと訝しむほど。あまりに非人間的であるため、相対しているとこちらもつられて表情が死んでいくのを感じます。脳裏に浮かぶのも、床も壁も天井も鉄でできた金属しか存在しない広い空間など、生命の痕跡が見当たらない異空間のみ。たとえメロディックといえそうなパートであっても、冷たさしか返ってこないあたり徹底してます。 SHININGのNiklas Kvarforthのボーカルを入れたリメイク作『Niklas Kvarforth Presents: Hjarnidaudi』も禍々しさが加わっており大変良いのですが、個人的には無機質一色な本作がこのバンドらしいのでオススメです。 あと、インダストリアルの要素はありませんが、無機質さは共通すると思うのでそちらのファンにもオススメ。 【ピックアップ】01.Pain 現実の空気を一音で叩き潰す硬質な重低音。眩暈を誘発しそうな酩酊感しか与えてこないロングトーンのギター。鈍色の何かが精神を乗っ取ろうと浸食してくるような錯覚に襲われる。 ■こんな人にオススメ ・何もない場所に行きたい ・無機質な音が聴きたい ■主な入手方法 ・bandcamp ・AMAZON(DLのみ) ■この音源に近いアプローチをとるバンド Beyond Black Void、HYPONIC PR 試行錯誤の跡がたっぷりと詰まったコンピレーション Funeral 『Tragedies / Tristesse』 ┃ノルウェー ┃コンピレーション ┃ジャンル/フューネラル/ドゥームデスメタル ┃リリース/2006年 ┃レーベル/Firedoom ┃オフィシャルサイト/http://www.funeralband.no/ 95年にリリースされた1stアルバム『Tragedies』と、93年にリリースされたDEMO『Tristesse』を収録したコンピレーション。94年DEMO『Beyond All Sunsets』からボーナストラックとして3曲収録されてますが、残りの2曲は1stアルバムに収録されているため、実質的に94年DEMOも含んだコンピになっています。 後にゴシックメタル/ドゥームの方向へ大きく舵をとりましたが、本作ではメロディよりも重低音が前に出てくる場面が多く、どちらかというとWinterなどのドゥームデスメタルを好む層に受けそうです。ちなみに『Beyond All Sunsets』に収録されていた曲は特にフューネラルドゥーム色が濃いので、そちらのファンにもオススメ。様々な萌芽が垣間見える黎明期らしい作品集。 『Tragedies』 ┃1995年/1stアルバム 過剰なシンセなどは入ってこないものの、現在Shape of Despair、REMEMBRANCE等のバンドが実践しているアプローチをはやくも取り入れています。 DEMOに入っていた曲はスローなフューネラルドゥーム路線であるのに対し、このアルバム用に書かれた曲は遅くもザクザク刻まれるリフや、女性ボーカルの歌も入ってくるという、後の作風を示唆した内容になっているのが興味深いです。 『Tristesse』 ┃1994年/DEMO 現在のゴシックメタル路線が嘘であるかのように重く遅い。曲と曲のあいだにスパニッシュな感じのアコギが聴こえてくるも、それらが夢だったかのように重低音まみれになる。完全にドゥームデスメタルファン向けな内容。一方で、同系統のバンドのようにドロドロとした印象はあまりなく、どことなくあっさりした部分も。 ■こんな人にオススメ ・ジャンルの黎明期の作品を聴きたい ・ドゥームデスメタル好き ■主な入手方法 ・AMAZON(DLのみ) ■この音源に近いアプローチをとるバンド ATARAXIE、HERODIAS いきなりアレですが、去年が豊作すぎたおかげでどうしても見劣りしてしまうのは避けられないですね。どれもこれも個人的にはよく聴いたものの、客観的に見て、このジャンルに入れ込んでいないと浸れないものがチラホラ……。 そんなわけでフューネラルドゥームらしくテンション低くいきます。 何かと急かされがちな年末年始だからこそマッタリしようよ。 新人ながらも安定感を持ったグルジアのデスメタル/フューネラルドゥーム Ennui 『Mze Ukunisa』 ┃グルジア ┃1stアルバム ┃ジャンル/デスメタル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2012年 ┃レーベル/MFL Records ┃バンドキャンプ/http://ennui-funeral.bandcamp.com/ グルジアのデスメタル/フューネラルドゥームバンドの1stアルバム。全6曲76分。 定型的なドゥームデスメタル寄りのスタイルを採用しており、音圧もしっかり稼いでハッタリ効かせているところは新人ながら頼もしいかぎり。ユラユラと方向感覚を惑わすメロディを多用するので、ESOTERICに似た印象を残しますが、あそこまでの強大なオーラは持ち合わせてはいません。その代わり、よりメロディックに攻めてくるのが特徴で、曲の後半ではやりすぎなくらい盛り上げていきます。メロディックに盛り上げる一方で、重低音リフを振るって圧力をかけてくるパートでバランスをとるあたりも好印象。背後から薄っすらと妖しげなムードを付け足すキーボードも良いアクセントになっています。 いわば優等生的なバンドですが、その中でも上位にくる存在ではないでしょうか。見せ場も心得えていますし、今年デビューしたバンドでは特に期待したいです。 【ピックアップ】03.Maybe The Time Shall Come この手のバンドのクライマックスパートを3つ繋げたような後半が圧巻。果てしなくギターが泣く。 ■こんな人にオススメ ・フューネラルドゥーム好き ・メロディックな音が聴きたい ■主な入手方法 ・Solitude Productions ・MFL Records(フリーで入手可能) ■この音源に近いアプローチをとるバンド ESOTERIC、URNA 遥かなる宇宙の旅路へと誘う3rdアルバム MONOLITHE 『MONOLITHE III』 ┃フランス ┃3rdアルバム ┃ジャンル/プログレッシブ/フューネラルドゥーム ┃リリース/2012年 ┃レーベル/Debemur Morti Productions ┃オフィシャル/http://monolithedoom.tumblr.com/ フランスのプログレッシブ/フューネラルドゥームバンドの3rdアルバム。全1曲52分。 2012年のはじめごろ、アルバムに先駆けてEP『Interlude Second』がリリース。内容は良かったものの、フューネラルドゥーム的なゆったり感はほとんどなく、プログレ的な展開の多さで攻めるアプローチに、おそらく次のアルバムはフューネラルドゥームから離れた内容になるのではないかと思っていました。いざ蓋を開けてみれば、双方の要素が上手く絡んだ出来に仕上がっていたので、このジャンルのファンとしてはひとまず安心。 ゴリゴリ動くプログレメタルパートと、遅く静かにタメを効かせるフューネラルドゥームパートを行き来する曲構成は、他の追従を許さないレベルにまでガッチリと決まっていて、展開を追うだけでもすごく楽しい。もともと几帳面に展開させていくバンドでありましたが、聴き手を誘う手練手管は過去最高かと。50分を超える大曲なので消化には時間がかかるものの、聴き込みたい意欲は存分にそそってくれます。映像喚起力にもさらに優れ、SF映画の超大作を耳で観ている感覚が気持ち良く、リピート率に拍車がかかる。また、このジャンルに身を置きながらも暗く閉塞した雰囲気は匂わせず、新しい世界をこの目で見てみたいという突き抜けるような好奇心がなによりも勝っているところも前作同様。陰鬱な音楽が苦手な人でも聴ける余地があります。 宇宙に対するロマンがふんだんに詰め込まれた1枚。オススメ。 【ピックアップ】01.MONOLITHE III 補足。これまで紡いだ展開が一瞬でほどけていくような33分あたりが特にお気に入り。前半を締めると同時に、後半への期待感を煽る。 ■こんな人にオススメ ・SFの冒険譚が好き ・宇宙大好き ■主な入手方法 ・diskunion ■この音源に近いアプローチをとるバンド URNA、Ea サックス奏者も在籍するウクライナのフューネラルドゥーム Narrow House 『A Key To Panngrieb』 ┃ウクライナ ┃1stアルバム ┃ジャンル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2012年 ┃レーベル/Solitude Productions ┃バンドキャンプ/http://narrowhouse.bandcamp.com/ ウクライナのフューネラルドゥームバンドによる1stアルバム。全4曲45分。 Funestumの解散後に残ったメンバーが立ち上げたバンドで、サックスの奏者が在籍していたり、この手のジャンルらしくない謎めいたジャケなど、やや他のバンドと違うところが目に付きますが、実態はオーケストレーションを前面に押し出したよくあるタイプです。Solitude Productionsからリリースされているだけあって質自体は高いものの、凄みに欠けるというか良くも悪くも優等生的な立ち位置に納まっている印象が強く、部分的に良いところもあるだけに非常に勿体無く思います。特にせっかくサックスを演奏できる人がいるのですから、そこをもっとアピールして欲しいところ。 フューネラルドゥームが好きならば、satanarsaあたりのチープな音源よりも優先して手に入れるべき、と断言できますが、おいしいところだけをつまみたいリスナーには強く推せません。次回作に期待したいです。 【ピックアップ】04.Под Маской Этой ESOTERICの『The Maniacal Vale』に収録されている「Beneath This Face」のカバー曲。オーケストレーションを強調したバンドだけあって原曲よりもゆったりと落ち着いた印象が先にくる。 ■こんな人にオススメ ・Solitude Productionsモノはとりあえずチェックする ・フューネラルドゥームが好き ■主な入手方法 ・Solitude Productions ・diskunion ■この音源に近いアプローチをとるバンド Aabsynthum、Abstract Spirit Copyright © [ GARBOLOGY ] All Rights Reserved. http://garbology.en-grey.com/ |