フューネラルドゥーム追っかけブログ。
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元気がなさすぎるにもほどがあるイギリスのアンビエント/ポストロック AMNPTN 『MELANCHOLIA』 ┃イギリス ┃1stアルバム ┃ジャンル/アンビエント/ポストロック ┃リリース/2012年 ┃レーベル/Eerie Echoes ┃バンドキャンプ/ http://amnptn.bandcamp.com/ バンド名はAMINEPTINEという抗鬱剤の名前を短くしたものらしい。検索してみると2003年には麻薬に指定されてますね。そのような名前であるからして活発な音になるはずもなく、内容はとても暗く憂鬱です。 ジャンルとしてはポストロックやインディロックあたりに近いのですが、特筆すべきはエネルギーのなさ。エネルギーがないから、自らの境遇に焦りや怒りといった強い感情を持つことはなく、印象の強いメロディで慟哭している様子を表現したりしません。残り少ないエネルギーが生み出すぼんやりとした悲しさを抱えたまま、ただひたすら鬱々と音を連ねていくだけ。ボーカルも、歌というよりも、歌になり損ねて口から漏れ出た呻きのようです。楽器鳴らす体力すら、ほとんど残っていないのではないかと思うぐらいの沈みっぷりがある意味凄い。 もともと他と比べて音数が少ないジャンルではありますが、ここまで音に元気がないのは珍しいのではないでしょうか。重低音こそ使われてはいないものの、この生命力の薄さはフューネラルドゥームに通じるものがあると思います。 作風が作風なので全体の印象が地味ですが、ピアノが使われていたり、メロディもよく聴くとキャッチーだったり、曲も短く切り詰めているので敷居自体は意外と高くはないです。なので、生命力に溢れた音楽に同調できない人間に広く(?)オススメ。個人的にはもっと曲長くてもいいなと思ったり。 体調が悪いときなど、音数が多い音楽が聴けないときに馴染む数少ない音源でもあります。 【ピックアップ】03.Dysphoria アルバム中最もキャッチーな曲。こういう曲ですら元気あるように錯覚するぐらい、他の曲はよりぐったりしています。 ■こんな人にオススメ ・元気ない ・体調も悪い気がしてきた ■主な入手方法 ・bandcamp ・Eerie Echoes ■この音源に近いアプローチをとるバンド 探し中…… PR バンド名などと反して、あくまで王道を貫くロシアのポストロック 417.3 『_(-_-)_』 ┃ロシア ┃1stアルバム ┃ジャンル/ポストロック ┃リリース/2011年 ┃レーベル/PLAY DEAD CARTEL ┃マイスペース/http://www.myspace.com/4173music バンド名もアルバム名も曲名もふざけている。いかにも、インスト勢に一定数存在する「言葉で表現するのは野暮」というタイプであり、曲名が書かれる欄には数字や記号がズラズラと並ぶ。言葉による先入観をいっさい遮断する徹底ぷりで、アルバムタイトルにいたっては顔文字を使用している。さぞかし中身も遊び心で溢れているかと思えば、ポストロックの文法を手堅く守った作りで少しガッカリ。とはいうものの、その真正面に取り組む姿勢が功を奏したのか、丹念に紡がれる音が徐々に染み渡ってきて、これはこれで良いと思えてくる。 特に目立つヴァイオリンも、この手の音ではもはや珍しい楽器ではなくなっていますが、それだけに効力は保障されているようなもの。わき目も振らずに腕を振るい、そっと背中を押されるような郷愁感を二重にも三重にも補強し、音の景色に溶け込ませていく。 個性は薄いものの、無下にも出来ない作品。 【ピックアップ】10.+ 神聖さを匂わすアンビエントパートを経て、何故かエレクトロニカちっくになる曲。例によってタイトルに言及するのは野暮なんでしょうね。 ■こんな人にオススメ ・静かな曲を聴きたい ・ポストロック好き ■主な入手方法 ・myspace経由でフリーダウンロード可能 ■この音源に近いアプローチをとるバンド Caspian 儚げなアプローチで迫る、プログレ風味ポストロック CRIPPLED BLACK PHOENIX『I, VIGILANTE』 ┃イギリス ┃4thアルバム ┃ジャンル/ポスト・ロック ┃リリース/2010年 ┃レーベル/Invada ┃マイスペース/http://www.myspace.com/crippledblackphoenix Justin Greavesを中心としたバンド。Iron Monkey、Electric Wizard、Teeth Of Lions Rule The Divineと、ドゥーム/スラッジ界にて特にえげつないバンドに関わっていた人なのですが、ここで聴けるのはプログレ風味のするポストロック。MOGWAIのメンバーも関わっていて(と思ったらもうバンドから去っているらしい)、むしろそちらに近い音を出している。一応へヴィなリフが使われているものの、ドゥーム/スラッジ的な殺伐さはなく、『Red』の頃のKing Crimsonを彷彿。「Troublemaker」の、元気があるように見せて、どこか虚ろさのあるアプローチなんてモロだと思うし。 基本はギター、ピアノ、チェロなどによって、儚げなメロディをゆったり聴かせることを主題においており、曲によって女性VOが絡んできたり、トランペットが情熱的に振舞う、またはムードを煽るように使われていて、なかなかあきさせない工夫がなされている。 プログレ好き、ポストロック好き共々おすすめできる作品。 【ピックアップ】05.Of a Lifetime 少しずつ叙述的なメロディを練り上げ、女性VOも参加していき、最後にはドラマティックな展開へと収束していく。なんというか、反則。 ■こんな人にオススメ ・プログレ好き、またはポストロック好き ・落ち着きたい ■主な取り扱い店 ・AMAZON ・WORLD DISQUE ■この音源に近いアプローチをとるバンド King Crimson、MOGWAI Copyright © [ GARBOLOGY ] All Rights Reserved. http://garbology.en-grey.com/ |