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フューネラルドゥーム追っかけブログ。

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予想外の進化を遂げた独りドゥームバンド4thアルバム

Ego Depths 『Dýrtangle』
┃ウクライナ
┃4thアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2015年
┃レーベル/Dusktone
┃バンドキャンプ/ http://egodepths.bandcamp.com/

 ウクライナの独りドゥームバンドの4thアルバム。全5曲79分。
 1stアルバムは擁護できないくらいチープな出来でしたが、作品を出すごとに音の説得力が増してくるため、動向を追うのが楽しいバンドでした。しかし、3rdアルバムではほとんど成長が感じられず、Ego Depthsもここまでか……と、見切ろうかと思った矢先、またひとつ殻を破ってくれました。まだまだ伸びるよEgo Depths。

 本作では民族楽器を多く取り入れており、ダンモイ、ダマル、カンリン、ドゥドゥクなど、とりわけアジア圏のものが多いです。これらの楽器と、これまで培ってきたドゥームの手法を組み合わせて出来たサウンドは、他では聴くことはできないでしょう。

 近作では何をしても金太郎飴な印象を抱きましたが、本作はそもそも使用している楽器が多いので、曼荼羅的な神秘と広大さを感じる#2、異形が宴に興じているような#4、和風っぽく聴こえる#5など、Ego Depths作とは思えないぐらい聴きどころが随所にあります。ギターが前面に出過ぎて、せっかく匂わせた雰囲気を壊しているところや、唐突な曲展開など、やっぱりアレな部分はあるものの、アプローチの根本が魅力的なので、それで押し切れています。欠点はあれど、何故か手に取りたくなる魔力めいたものが備わってきたのが、本作で最も成長が感じられた点。化けたと言ってもいいぐらい、1stアルバムの頃とは別物です。

 また追うのが楽しみになりました。予想を超えてくれてとても嬉しく思います。



【ピックアップ】04.Awakening of Gshin-Rje, the Lord of Death
 民族楽器とドゥームが最も溶け合っている曲だと思います。ギターの雰囲気破壊っぷりも、他の曲と比べるとやや控えめ。

■こんな人にオススメ
・民族音楽、特にアジア圏のものが好き
・バンドの成長を追うのが趣味

■主な入手方法
・bandcamp
・amazon

■この音源に近いアプローチをとるバンド
むしろ知りたいです
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全力で琴線ズタズタにしてくるフューネラルドゥーム、2ndアルバム

Funeral Tears 『The World We Lost』
┃ロシア
┃2ndアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2014年
┃レーベル/Marche Funebre Productions
┃VKontakte/ http://vk.com/club18789517

 前作と方向性は変わらず、メロディとシンフォニックの要素で、ベタながらもグイグイ押してしていく路線。スタイルの特異さから生まれる驚きはありませんが、本作では、曲に込められた情念があまりにも凄く、「よくいるタイプ」という言葉を正面から捻じ伏せるだけの力を持っています。正直、表現方法がストレート過ぎて、もう少し捻ったほうがいいのではないかと思うこともあります。しかし、この琴線を直接ズタズタにしてくる感覚は、必要以上に自分を良く見せようとする欲求よりも、抱えた鬱屈の昇華を優先しないと生まれないでしょう。技術や奇抜なアイデアも大切であるものの、結局は、作り手の気迫や衝動などがモノを言うのだと、まざまざと見せ付けられました。一応、前作から衝動重視だったのですが、本作でついに、有無を言わせないレベルへと達したなと。とにかく全力で迫ってくるので、聴いている側も鬱屈が昇華されて、聴き終わった後には気が楽になります。

 この手の作品が好きなら身悶えすること請け合い。ここまでくると普段フューネラルドゥームを聴かない人でも何かしら引っかかるのではないかと。




【ピックアップ】04.Our Gods Are Dead
 タイトルとは裏腹に、憂鬱に包まれながらも、しっかりと強い意志を持ち続けいているように感じます。ギターのメロディなんかは特に力強い。

■こんな人にオススメ
・疲れている
・でも明日も生きるつもり

■主な入手方法
・solitude productions

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Ea、Consummatum Est




“静”のパートがとりわけ活きるイタリア産ドゥームデスメタル、1stアルバム

Plateau Sigma 『The True Shape of Eskatos』
┃イタリア
┃1stアルバム
┃ジャンル/フューネラル/ドゥームデスメタル
┃リリース/2014年
┃レーベル/Beyond... Productions
┃バンドキャンプ/ http://plateausigma-music.bandcamp.com/

 イタリア産ドゥームデスメタルバンドの1stアルバム。全7曲68分。
 近年のEVOKENとAHABを掛け合わせたようなバンド。クリーントーンギターの美しくも妖しげな響きはEVOKEN、クリーンボイスを織り交ぜつつ、静と動をゆっくりと行き来する曲展開はAHAB、と書けば想像しやすいでしょうか。強烈な個性は放っていないものの、先輩達の影響をまとめる能力はかなりのもの。よくいるタイプだと思いつつも、気が付けば音世界に浸っていることも少なくなく、パッとしない第一印象とは裏腹にポテンシャルは高いです。
 静と動をとりわけ意識した曲展開ですが、個人的には“静”のパートがお気に入り。クリーンボイスはもちろん、要所にフルートやサックスを混ぜることで、根暗にとって居心地のいい雰囲気が仕上がっています。むしろこのパートだけ聴いていたいレベル。というよりも、対する“動”のパートが“静”のパートと比べて明らかにクオリティに差があるといいますか、本作が没個性に感じられる要因の一つに感じられます。この部分を改善するだけで飛躍的に印象が良くなるのではないかと。

 EVOKENやAHABが好きなら聴いても損はないでしょう。ほのかにプログレの匂いもするのでOPETHあたりを聴く人にもオススメ。



【ピックアップ】04.Ordinis Supernova Sex Horarum
 本作の要である“静”のパートを最も堪能できる曲。

■こんな人にオススメ
・根暗だから暗いところが好き
・憂鬱な世界観に浸りたい

■主な入手方法
・AMAZON
・diskunion
・bandcamp

■この音源に近いアプローチをとるバンド
EVOKEN、AHAB




路線そのままに、門戸を開いたEP

Profetus 『As All Seasons Die』
┃フィンランド
┃EP
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2014年
┃レーベル/Weird Truth Productions
┃バンドキャンプ/ http://profetus.bandcamp.com/

 SKEPTICISMのフォロワーから一歩踏み出した場面が見られた2ndアルバムから2年、満を帰してリリースされたEP。前作のこともあり、今回はどうなるのかと期待がかかりますが、結果は期待以上のものでした。
 影響元のSKEPTICISMは、人知を超えた神秘的な雰囲気を作り出すことに秀でたバンドで、それが孤高なバンドイメージを持たせた一方、ある種の取っ付き難さを生んでいたのは間違いありませんでした。本作のProfetusは、その魅力を引き継ぎながら、同時に親しみやすさも持ち合わせています。人外がひたすら儀式を執り行っているようなSKEPTICISMに比べて、人間味がまだ感じられ、隠し切れない感情が曲の随所に渦巻いている気がします。とりわけメロディアスになったわけでもないのに、琴線にさりげなく触れてくるあたり凄いバンドに成長したなと感心するばかり。もはや単なるフォロワーではありません。

 EPなので収録時間もコンパクトな全4曲37分。おまけに内容も最高傑作とあらばプッシュしないわけにはいかないでしょう。初見の人はもとより、過去作が受け付けなかった人も聴いてみる価値のある作品です。



【ピックアップ】03.Dead are our Leaves of Autumn
 Mournful CongregationのJustin Hartwigがゲストで参加。Funeral Mothのアルバムでもその腕を遺憾なく発揮していましたが、この人が参加するだけでキャッチーさが抜群に上がりますね。相変わらずギターの弦が溶けそうなくらい弾き倒しています。

■こんな人にオススメ
・地味に効いてくるものが好き
・コンパクトな作品を求める

■主な入手方法
・GRAVE
・diskunion
・はるまげ堂
・WEIRD TRUTH
・zero dimensional records
・Solitude Productions

■この音源に近いアプローチをとるバンド
SKEPTICISM、De Profvndis Clamati





過去作と同じ、故に最高なEP

Mournful Congregation 『Concrescence Of The Sophia』
┃オーストラリア
┃EP
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2014年
┃レーベル/20 Buck Spin
┃マイスペース/ http://www.myspace.com/mournfulcongregation

 これまで通り。この一言で説明が事足りてしまうのが、やや寂しい。もちろんクオリティ的には、過去作にも負けず劣らずの位置には達していますし、同様の路線を求めるならば、まずガッカリすることはないでしょう。ただ、EPという体裁で従来の路線から外したことをやってのけたThe Howling Voidがいただけに、期待感を必要以上に高めてしまったのが悪かったと思います。こうしてアプローチが同じなことに対して嘆いていますが、アプローチを変えすぎた結果、好みから外れて聴かなくなったバンドも無数にあるので、完全にわがままです。本来なら要求すること自体ナンセンスなことでしょう。

 幸い、本作を聴いてまだ心は動きます。上記の悩みがどうでもよくなってくるメロディや展開がたくさん詰め込まれています。
 過去作が好きなら間違いなく“買い”です。



【ピックアップ】02.Silence Of The Passed

 ですからこういうメロディに弱いんですって!

■こんな人にオススメ
・Mournful Congregationが大好き

■主な入手方法
・AMAZON
・WEIRD TRUTH
・diskunion

■この音源に近いアプローチをとるバンド
SOMNOLENT、Thergothon、Maiden Voyage




序盤から飛ばすが終盤が尻すぼみな5thアルバム

Ea 『A Etilla』
┃出身不明
┃5thアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2014年
┃レーベル/Solitude Productions
┃バンドキャンプ/ http://eadoom.bandcamp.com/

 正体不明(そういうことにしておいてください)フューネラルドゥームバンドによる5thアルバム。今回も1曲のみの収録。トータル49分。
 2ndアルバム以降コンスタントなリリースを維持しており、本作で早くも5作目。音の方向性は前作と同じく、1~3rdアルバムの要素を総括したもの。率直に言っていよいよマンネリを感じないわけではありませんが、手堅くまとめていて、従来のEaが好きならば安心できる作品に仕上がっています。あいかわらず醸し出される雰囲気は、浄化されそうなほど神秘的。場面転化も自然で、思いついたリフを単に繋げただけの雑な展開はしません。11分付近の、神々しさに一瞬だけ陰が差す場面が特にお気に入りです。ただ、見せ場が前半に集中しており、後半は消化試合のように感じてしまったのが残念でした。1st、2ndにあった、クライマックスな展開にさらにクライマックスが重なってくる怒涛の展開に魅了された身としては、とてもいただけない点です。コンスタントに出すのもいいのですが、もっと時間かけて練り上げて欲しいのが正直なところ。





■こんな人にオススメ

・Eaが好き

■主な入手方法
・Solitude Productions
・bandcamp

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Funeral Tears、The Howling Void、Kairi




あたり一面を覆う濃霧の壁

┃Funeral Moth 『dense fog』
┃日本
┃1stアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2014年
┃レーベル/Weird Truth

 日本のフューネラルドゥームバンドの1stアルバム。全4曲73分。
 霧です。濃霧です。dense fogです。どうでもいいことですが、最初から明確なイメージが付けられていると感想文書きやすくていいですね。妄想もはかどりますし。
 DEMO時ではジャケ画はバンドロゴのみ、音は重さに任せた圧殺路線であったため、フルアルバムも一切の感情移入を拒み、想像の入る余地のない近寄りがたい作品になると思っていました。それだけに、霧のたち込めるジャケからして衝撃で、まさか情景を描く路線に舵をきっているとは予想もできず。ポツポツと音を鳴らして、映像喚起力に働きかけてくるのが、妄想癖ある私としては大変好みで良いです。#3を筆頭に、若干であるもののメロディックになっていますし、Mournful CongregationのJustin Hartwigがゲスト参加しているおかげか、#1の後半の泣きっぷりも凄いことになっています。このように聴きやすさも出ているので、DEMOに苦手意識を持った人でも再挑戦の価値はあるかと。ただ、重く酷薄な面が綺麗さっぱりなくなったわけでもないので、ゴシック要素のあるドゥームが好きな方には厳しいと思います。歌詞のほうも自虐的で、ひたすら苦痛を自らに科しており、少しメロディが増えたとはいえ、安易な甘えや救いを許さない表現を貫いていることに変わりはないです。

 ともかく『濃霧』というイメージ付けの時点でドストライクな一枚でした。『闇』と同じく、煩わしい人々による好奇の視線を遮り、現実から開放してくれる霧。逆に、前を見つめて進む人の見通しを遮る霧。モチーフとしてこれほどおもしろいものはないでしょう。この作品から漂い出る濃霧が身を隠す防壁となるか、行動を縛る檻となるかは聞き手しだいです。



【ピックアップ】04.自害 - kill yourself
 何よりも「きさまが、きさまを切り刻む」がインパクト大。「きさま」と言っていますが、そこに自分自身も含まれている気がします。

■こんな人にオススメ
・メロディはほどほどに
・霧が好き

■主な入手方法
・Weird Truth
・time bomb
・Grave
・diskunion
・record boy
・zero dimensional records

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Intaglio、REIDO、Hierophant





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