フューネラルドゥーム追っかけブログ。
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影の垂れ込める余裕なき旅路 ┃Shades of Deep Water 『Waterways』 ┃フィンランド ┃1stアルバム ┃ジャンル/フューネラルドゥーム/デスメタル ┃リリース/2013年 ┃レーベル/self release ┃バンドキャンプ/ http://shadesofdeepwater.bandcamp.com/ 細々とDEMOをリリースしていたShades of Deep Waterの待望(?)の1stフルアルバム。全7曲40分収録。 音質や曲の構成はあまり気にせず、メロディの求心力だけで引っ張っていくB級らしい作品に仕上がっています。テンポもそれほど遅くなく、どちらかというとデスメタル寄りの作風。 アートワークや歌詞は探検譚を思わせる内容であったので、開放感に満ちた作品だろうと勝手に思っていましたが、いざふたを開けてみて現れたのはどこまでも続く閉塞感。終始影が寄り添うメロディばかり鳴らしているためか、未開の地に対するワクワク感は微塵も感じられません。好奇心ではなく、何かから逃げるために旅をしている印象が強いです。ただ、緊張を要する場面ばかりで心休まる場面はまったくないのですが、この緊迫感の描き方がドラマティックでなかなかクセになります。 メロディックな音楽を求める人にはもちろんオススメ。「泣きメロ」と聞いてすぐに回れ右してしまう人でも本作のメロディは緊迫感を出すために鳴らされるため、苦手でも聴ける余地はあると思います。 【ピックアップ】02.The Breathless Sea どこへ行こうと、どこまで行こうと目の前に立ちはだかる閉塞。 ■こんな人にオススメ ・メロディックな曲が聴きたい ・緊迫感のある音が好き ■主な入手方法 ・bandcamp ■この音源に近いアプローチをとるバンド Night of Suicide、Mistguide PR 全方位どこから聴いてもド直球なフューネラルドゥーム ┃Everlasting 『March Of Time』 ┃ロシア ┃1stアルバム ┃ジャンル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2013年 ┃レーベル/Solitude Productions ┃バンドキャンプ/ http://everlasting1.bandcamp.com/album/march-of-time ロシア産フューネラルドゥームバンドによる1stアルバム。全4曲51分収録。 全方位どこから聴いてもフューネラルドゥームなサウンドを展開。気を抜けば止まりそうな超低速に、薄味なメロディ、空間の広さを演出するキーボード、適度にクリーンボイス交えつつボソボソと呟くようなボーカルと、基本的な要素は全て網羅。しっかり先人バンドを聴いてきたのか、受けた影響の反映っぷりに抜かりはありません。ただそれだけに、このバンドでしか聴けない要素はあまりないです。これはもう優等生バンドの宿命と言うべきか。そのかわりSolitude Productionsからリリースされてるだけあって一定以上のクオリティは保たれています。このジャンルが好きならば、曲の展開は読めつつも心が動くのを避けられないのではないでしょうか。痛みを感じないように封じた感情をゆっくりゆっくり解凍していく感覚が、表現としてベタながらもたまりません。 【ピックアップ】03.March Of Time 表題曲。曲の途中で雨のSEを導入して叙情感を増す手法も既視感たっぷりですが、良いものは良いです。 ■こんな人にオススメ ・フューネラルドゥームが好き ・メロディは適度に ■主な入手方法 ・Weird Truth ・Solitude Productions ■この音源に近いアプローチをとるバンド Mournful Congregation、Funeral Tears、Night of Suicide 音にも曲展開にも飾り気がないアメリカのフューネラルドゥーム ┃Ephemeros 『All Hail Corrosion』 ┃アメリカ ┃1stアルバム ┃ジャンル/スラッジ/フューネラルドゥーム ┃リリース/2013年 ┃レーベル/Seventh Rule Recordings ┃バンドキャンプ/ http://releases.seventhrule.com/album/all-hail-corrosion アメリカのフューネラルドゥームバンドの1stアルバム。全3曲40分。 フューネラルドゥームにスラッジ要素を少々トッピングしたようなスタイル。それゆえにメロディも薄目というかほぼなし。ジャリっとしたノイズを含みながら鼓膜を圧してくる重低音は、砂が混じっているようで妙な聴き心地があります。音が乾燥していると言いますか、この系統の他のバンドは湿度を感じさせる音ばかりなので、そこが少し新鮮に思えたり。あとはスラッジ色のあるバンドの常でありますが、音といい曲展開といい飾り気がまったくないです。憂いや感傷といった感覚は女々しいとばかりにどこまでもドライ。メロディアスな音楽が好きな人は避けたほうがいいかもしれません。逆に甘さ控えめな音がいける人にはピッタリかと。 【ピックアップ】02.Stillborn Workhorse 終盤だけキーボードが入って少しだけ壮大になります。これを地味ととるか甘さ控えめととるか……。 ■こんな人にオススメ ・湿っぽいのは苦手 ・メロディはなくてもいい ■主な入手方法 ・AMAZON ・HMV ■この音源に近いアプローチをとるバンド FUNERALIUM、Night Must Fall 基本に忠実でありつつ一味加えた1stフルアルバム ┃Lycus 『Tempest』 ┃アメリカ ┃1stアルバム ┃ジャンル/デスメタル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2013年 ┃レーベル/20 Buck Spin ┃バンドキャンプ/http://lycus.bandcamp.com/ DEMOから2年ぶりの1stフルアルバム。全3曲41分。 やっていることはDEMOのときと大きく変わらず、ヴァイオリンが時々絡んでくること以外はオーソドックスなつくり。極端に遅くないところも健在で、メロディを生かしたパートと重低音が蠢くパートが小気味良く二転三転する様子を追うだけでも楽しめます。そしてなんと言っても幽玄なヴァイオリンが反則。他がオーソドックスであるだけにこの加えた一味が利いていて、これがゲストなのが惜しいところ。次があるならメンバー加入してもっと大胆にお願いします。 ジャケや歌詞は地獄巡りみたいな内容になっていますが、それらから想像するほどどす黒くはなく、むしろ安らいだ雰囲気が大半を占め、ブラック風味に突撃するパートであっても必要以上に焦燥感を煽りません。地獄巡りにしてはかなり快適な環境です。極北ばかりに興味を惹かれる人にはぬるいかもしれませんが、ちょっとした陰りに身を浸したい人には適しているかと。入門用にもぴったりだと思います。 【ピックアップ】03.Tempest だからこの曲調にヴァイオリンなんて入れられたら悶えるしかない。最後の余韻パートも死後安らかに眠りにつくみたいで良いですね。 ■こんな人にオススメ ・重さはほどほどでいい ・幽玄な音楽が好き ■主な入手方法 ・AMAZON ・timebomb ■この音源に近いアプローチをとるバンド AHAB、IMINDAIN、Asunder 堕落への誘惑と、理性の麻痺 Station Dysthymia 『Overhead, Without Any Fuss, The Stars Were Going Out』 ┃ロシア ┃2ndアルバム ┃ジャンル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2013年 ┃レーベル/Solitude Productions ┃バンドキャンプ/http://stationdysthymia.bandcamp.com/ このジャンルでは大手のSolitude Productionsへと籍を置いたためか、メジャー感もアップ。物好き向けだった前作とは打って変わって訴求力も断然増しました。とはいえ、そもそも目指す方向性がアレなわけですが。 前作は、夢を見ているような非現実感を押し出した作風でありましたが、本作では非現実感は残しつつ、より闇へと身を投げるような作風へと転じています。しかし、より重く暗くなったにもかかわらず、自分を執拗に責めたてる場面はなく、何故か全編心地良さに満たされています。これはおそらく全てを放棄する快感なのではないかと。日々、生きるために様々な考えをめぐらせていますが、煩わしくもあるそれをあっさりと捨てる。重々しく窮屈な気分にさせる足枷を外す偽りの開放感。もちろんいけないことなので理性がブレーキをかけてくるものの、音に揉まれていくうちにしだいに感覚も鈍り、気がつけば引き止める感情はわいてこなくなります。この段々と麻痺させて、闇に身を慣らしていく手練手管が本当に見事。みごとに成長したなと思います。先に書いたとおり方向性はアレですが。 引き合いに出すとすればOf Darknessでしょうか。このバンドはドローンに片足突っ込んでいるので聴きやすさに差はありますが、堕落への誘惑がひっきりなしに侵食してくるあたりは非常に近いものがあるかと。 心地良さと深入りすることへの禁忌感の狭間で揺れる1枚。 【ピックアップ】04.Starlit: We Rest At Last 音だけ聴くと心が動くクライマックス部分であるはずなのに、気持ちが前へとまったく向かわないのはどういうことなのか。 ■こんな人にオススメ ・この世は窮屈だ ・もうどうにもならない ■主な入手方法 ・Solitude Productions ・bandcamp ■この音源に近いアプローチをとるバンド Of Darkness、HJARNIDAUDI 全ての音が圧迫してくるロシアのフューネラルドゥーム、4作目 Abstract Spirit 『Theomorphic Defectiveness』 ┃ロシア ┃4thアルバム ┃ジャンル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2013年 ┃レーベル/Solitude Productions ┃バンドキャンプ/http://abstractspirit.bandcamp.com/ SKEPTICISMのカバー含む全6曲64分。 今作もAbstract Spirit節はまったく衰えを見せず、音をゴシック並みに飾り付けしつつも息をするのも憚られるほどの重苦しい雰囲気は健在。特に#5では、うなりをあげる重低音が感傷に浸りたくなる弱々しい心を容赦なくひき潰してくれます。過去作でも散々殺気を放っていたのにまだまだ殺り足りない様子。そのくせ急にノスタルジックになる#1や、何もない空間に浮かぶような感覚がある#2など、統一感があるようでいて微妙にテイストを変えているあたりも変に器用で小憎たらしいです。 過去作が好きなら迷いなくオススメ。他のゴシックやシンフォニックな要素を持つバンドとは異質な部分があるだけに、この系統に偏見や苦手意識を持っている人達がどのような感想を抱くのかやや興味のあるところ。 【ピックアップ】06.March October SKEPTICISMのカバー。本家より音が重いものの、さすがに殺気は込められておらず、原曲が持ち合わせている神秘性を忠実に再現しようとしている。 ■こんな人にオススメ ・緊張感のある作品がいい ・音が重いのは正義 ■主な入手方法 ・Solitude Productions ・bandcamp ■この音源に近いアプローチをとるバンド Mare Infinitum、Comatose Vigil 1stDEMOとカバー曲と最後の残り香 PANTHEIST 『The Pains Of Sleep』 ┃イギリス ┃EP ┃ジャンル/ゴシック/フューネラルドゥーム ┃リリース/2005年 ┃レーベル/Serpent's Lair Productions ┃オフィシャル/http://www.pantheist.co.uk/ 新曲を2曲、KATATONIAのカバー曲、2001年にリリースされた1stDEMOを収録したEP。 内容が寄せ集め的であるのと、1stアルバムと曲が被っているいるので、PANTHEISTそのものを気に入った人向け。……としたいのですが、新曲のうちの1つで本作のタイトルにもなっている「The Pains Of Sleep」が屈指のキャッチーさを備えているためか、ファンだけに聴かせるにはやや勿体無くも感じます。フューネラルドゥームが苦手な人でも聴けてしまうような仕上がりになっているだけに、もしアルバムに収録されていたら、このジャンルの窓口を広げる役割になっていたのではないかと。3rdアルバムからの路線変更自体にはそれほど不満はありませんが、この曲を聴くたびに、せめてもう少しフューネラルドゥーム路線を進めてもよかったのではないかと思うことはあります。それはさておき、先ほど書いたように1stアルバムと曲が被っているものの、新曲2曲がおまけにしては大変素晴らしいので、持っている人でも聴く価値は十分にあり。 【ピックアップ】02.Pavor Nocturnus 「The Pains Of Sleep」と比べるとメロディーは控えめ。しかしそれだけに中盤のギターソロや開放的な後半が生きています。 ■こんな人にオススメ ・フューネラルドゥームに興味がある ・メロディックな音楽に惹かれる ■主な入手方法 ・GRAVE ・WEIRD TRUTH ■この音源に近いアプローチをとるバンド MONOLITHE、SKEPTICISM Copyright © [ GARBOLOGY ] All Rights Reserved. http://garbology.en-grey.com/ |