フューネラルドゥーム追っかけブログ。
カレンダー
ブログ内検索
カテゴリー
最新記事
(01/09)
(01/03)
(07/05)
(06/30)
(02/28)
(01/06)
(01/01)
(07/02)
(07/02)
(03/17)
プロフィール
HN:
みそドラゴン
性別:
非公開
最新トラックバック
カウンター
カウンター
広い世界をゆっくりと見てまわるような3rdアルバム AHAB 『The Giant』 ┃ドイツ ┃3rdアルバム ┃ジャンル/デスメタル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2012年 ┃レーベル/Napalm Records ┃フェイスブック/http://www.facebook.com/AhabDoom ドイツのデスメタル/フューネラルドゥームバンドによる3rdアルバム。 一聴してわかる通りクリーンボイスやメロディが大幅に強化されていて、かなり耳当たりの良いソフトな路線へと舵をきっている。派手さはないものの、そのぶん様々な色を含んだメロディが充実しており、楽曲を通じて多彩な空気を運んでくる。1stで見られたような身を削る緊張感は完全になくなりましたが、ゆるゆると船で世界中をまわるように、スケールの大きさをゆっくりと味わう本作もまた魅力的。 もともとフューネラルドゥームの基本フォームを踏まえつつ、自由にできる隙間は、とことん自由に詰め込む意欲的なバンドだったので、それを考えると、路線を変えたというよりも、その面がより顕在化したと言ったほうが正しいのかもしれない。手口がどんどん大胆になってきており、ジャンルが変わりそうなほどギリギリなラインを走っていますが、停止しそうなリズム感を支柱に据える部分だけはしっかり守っているので、よほどの原点主義でなければそのまま聴けるかと。 表現の幅を広げる1枚。 【ピックアップ】04.Antarctica the Polymorphess 静謐に歩を進める場面にヘヴィなリフが割り込んでくるダイナミックな切り替えが良い。その後はボーカル(クリーンボイス)を主体に曲が進む。背中をそっと押すようなギターメロディと共に盛りたてる後半も聴き所。 ■こんな人にオススメ ・遅ければいい。 ・ゆっくり世界を見てまわりたい。 ■主な入手方法 ・AMAZON ・diskunion ■この音源に近いアプローチをとるバンド ASUNDER、SOMNOLENT PR 不可解な夢の如きアンビエント/エクスペリメンタルロック MANINKARI 『Le Diable Avec Ses Chevaux』 ┃フランス ┃1stアルバム ┃ジャンル/アンビエント/エクスペリメンタルロック ┃リリース/2007年 ┃レーベル/Conspiracy Records ┃マイスペース/http://www.myspace.com/maninkari フランスのアンビエント/エクスペリメンタルロックユニットによる1stアルバム。2枚組。 妖しい音色を響かせるヴィオラ、精神に呼びかけるようなドラムを軸に繰り広げられる摩訶不思議な音楽。他のエクスペリメンタルと名のつくバンド等に比べるとキャッチーな音使いをしていますが、喜怒哀楽といった感情的なものはほぼ見当たらず、かわりに抽象表現ばかりをたんまりと詰めているおかげで、現実感がなく幽玄さがかなり際立っている。ぼんやりとしたアンビエントな場面はもちろんですが、熱演と言えそうな音数で迫ってくる場面でさえも、どことなく冷めた感覚に包まれていて、ある種の人の存在感がまったく付随してこないのが面白い。この幻影を相手取っているようなイメージが、このユニットの最大の売りではないかと思う。 一歩間違えれば悪夢のようなサウンドになってしまいそうではありますが、不鮮明さだけを与え、恐怖心を刺激しない妙なバランスを貫いていることで、よくわからない心地良さも生み出している。 従来の音楽にあきてしまった人にオススメ。ヴィオラの影響もあってかチェンバーロックにも通じる部分もあるので、そちらのファンの人も興味深く聴ける一品ではないかと。 【ピックアップ】1-03.Crossing the Echo おそらくアルバム中、最もとっつきやすい曲。跳ねるリズムに艶かしいヴィオラの旋律がのる。 ■こんな人にオススメ ・不思議な音楽が聴きたい。 ・現実逃避したい。 ■主な入手方法 ・AMAZON ・GRAVE ・diskunion ■この音源に近いアプローチをとるバンド combat astronomy 今年も半分終わりました。もう半分もがんばって生きましょう。 そんなわけで上半期のまとめですが、ニッチなジャンルながら細々と新譜がリリースされていますので、気になった音源などを雑感を交えてピックアップ。 女性ヴォーカルをフィーチャーしたゴシック/フューネラルドゥーム HERODIAS 『Dance of the Seven Veils』 ┃アメリカ ┃1stアルバム ┃ジャンル/ゴシック/フューネラルドゥーム ┃リリース/2012年 ┃レーベル/Self release ┃バンドキャンプ/http://herodias.bandcamp.com/ 男女2人組よるゴシック/フューネラルドゥームバンド。 ドラムとギターが生み出すゆったりとしたリズムに乗せて、女性ヴォーカルがメインを張る珍しいタイプ。ぱっと聴き、Shape of DespairやREMEMBRANCEなどのゴシック系統のバンドを思い浮かべるものの、シンフォニックなアプローチを採り入れつつも、それらはあまり前面に出さず、あくまでヴォーカルに焦点を当てているところが、まず1つ目の相違点。そして歌モノというにはアンビエントな側面が強いため、例えるならSKEPTICISM系でいうキーボードの役割に近いことをやっている。いわば、材料はゴシック、手法がフューネラルドゥームといった感じで、ありそうでなかったニッチなラインを突いているのが新鮮。 基本的には神聖な雰囲気を作る表現ばかり行うものの、曲の節々で不鮮明な悪夢のような場面や、乾いた笑い声のSEが入ってくるおかげで、どことなくやさぐれた印象もつきまとっている。どれだけヴォーカルが澄み切った声を披露したとしても、それくらいでは掃えないほどの闇が底に沈殿しているように思えてならない。 現時点だとこのジャンルが好きな人にしか薦められない出来ですが、垢抜けたらかなり面白い存在になりそうではあります。 【ピックアップ】05.The Tower この作品のハイライトと言わんばかりにいきなりメロディで盛り上げる。それでも憑き物が落ちたと言えないところがなんとも。 ■こんな人にオススメ ・テンプレから脱却を図ろうとするバンドが好き ・堕落したい ■主な入手方法 ・bandcamp ■この音源に近いアプローチをとるバンド F.I.N、Lacrymae Rerum 怪しさをふんだんに放つポーランドのドゥームデスメタル YSIGIM 『Whispers』 ┃ポーランド ┃コンピレーション ┃ジャンル/フューネラル/ドゥームデスメタル ┃リリース/1996年 ┃レーベル/Wild Rags Records 1994年にリリースされた1stアルバム『Ain Soph Or』から4曲、新曲を4曲にライヴ音源を4曲収録したアルバム。なんとも括りに困る収録範囲なので仮にコンピレーションとしておきます。 フューネラルドゥームとして扱われているものの、実際の内容はドゥームデスメタルに近く、重低音リフをメインにノッシリノッシリ迫ってくるタイプ。そこに似非オリエンタルな響きを纏ったメロディが絡んでくるのですが、音質、演奏共に垢抜けないため、必要以上に怪しさが醸し出されている。長年倉庫に放っておいたような趣きもあり、スピーカーから積もりに積もったホコリが舞ってきそうな勢いすら感じるほど。雰囲気的に初期のESOTERICを彷彿とさせますが、カルト臭に限ってはあちらより断然濃いので、その類の言葉に弱い人は要チェック。洗練に洗練を重ねた現在のシーンからは絶対に出てくることのない音なのもあって、かえって新鮮に聴こえるかと。 【ピックアップ】07.Sleepness スナックとかで流れていそうな小洒落たインスト。散々怪しさを噴出した後に飛び出してくるので面食らう。 ■こんな人にオススメ ・カルトという言葉に弱い ・怪しい音楽が好き ■主な入手方法 ・record boy ■この音源に近いアプローチをとるバンド ESOTERIC、Ego Depths 反復する音が停滞を誘うベラルーシのデスメタル/フューネラルドゥーム Fading Sun 『Yawning Void』 ┃ベラルーシ ┃EP ┃ジャンル/デスメタル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2011年 ┃レーベル/BeBlessedTheCursed ベラルーシの独りデスメタル/フューネラルドゥームバンドの2011年EP。全1曲19分。 BeBlessedTheCursedからTAPE(限定100本)、Decrepit ProductionsからCDR(限定50枚)と、2種類のフォーマットでリリースされている。ちなみに今回購入したのはTAPEのほう。 ちょうどdiSEMBOWELMENTを本格的にフューネラルドゥーム側に落とし込んだような音を出しており、デスメタル由来の重さを主体としながらも、少しの加速も許さない徹底した遅さで迫る。正直、遅い部分だけを抽出したとも言えてしまいますが、瘴気を溜め込んだまま一切発散しない楽曲はなかなかに魅力的。執拗に振り下ろされる重低音と妖しげに響くクリーンギターが、腐り果てたい気分を良い感じに後押ししてくれる。 耳を惹くメロディもなく極端な重さもないバンドなので、多くの人には薦められないものの、重い気だるさのみが支配する作風が個人的にヒット。これは是非ともフルで堪能したい。あと、新人にしては素人臭さが薄い点も頼もしいところ。 ■こんな人にオススメ ・全てのことを投げ出したい ・薄味なものが好き ■主な入手方法 ・DEATHRASH ARMAGEDDON ■この音源に近いアプローチをとるバンド diSEMBOWELMENT、Septic Mind Copyright © [ GARBOLOGY ] All Rights Reserved. http://garbology.en-grey.com/ |