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フューネラルドゥーム追っかけブログ。

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自身の背景を隠すことなく披露するブラジルのドゥームデスバンドの2ndアルバム

Helllight 『Funeral Doom / The Light That Brought Darkness』
┃ブラジル
┃2ndアルバム+ミニアルバム
┃ジャンル/フューネラル/ドゥームデスメタル
┃リリース/2012年
┃レーベル/Solitude Productions
┃オフィシャル/
http://www.helllight-doom.com/
┃マイスペース/http://www.myspace.com/helllight
┃バンドキャンプ/http://helllight.bandcamp.com/

 2008年にAncient Dreamsからリリースされた2ndアルバムと、2011年に公式サイト上で配信されたカバーミニアルバムをセットにした2枚組再発盤。
 基本的にメロディを大切にしたドゥームデス周辺の音を鳴らしていますが、カバーミニアルバムではDanzig、Neil Young、Queen等を選出するなど、この時点で他の系統のバンドとは畑が違うことがわかる。実際、キーボードによるシンフォニックな味付けで壮大さを表現するも、すすり泣く悲壮さとは無縁な方向へと走り、醸し出されるのはドッシリと構えた佇まい。それに加え、クリーンボイスで歌い上げると、ハードロック的テイストが付随し、ギターソロが飛び出してきたと思えば、立ち上がってくるのはいぶし銀な哀愁。スタイルとしては現代風なのに受ける印象がどこか古めかしく、まるで昔のバンドばかりを嗜んでいた人が突然ドゥームデスに挑戦したようなアンバランスさが終始つきまとう。とはいえ、相乗効果とまではいかないまでも、シーンが飽和状態にある状況下ではかえって新鮮。
 しかし、これだけいろいろやらかしながらタイトルが『Funeral Doom』なのは何かの冗談なのか、もしくは皮肉なのか……。曲を聴くかぎり明らかにタイトル通りに演奏する気がない。

 ともかく提示してくるニュアンスが他のバンドとは違うので、そのようなバンドを求める人にとっては興味深く聴けるのはないかと。フューネラルドゥーム原理主義な人はタイトル詐欺に注意。

【ピックアップ】1-07.In Memory Of The Old Spirits
 黄昏を思わせる落ち着いた音をじっくり聴かせてから導入されるギターソロが良い。タガが外れたように弾きまくっているにもかかわらず、メロディ過多で甘ったるい印象を与えない点がこのバンドらしいところ。

■こんな人にオススメ
・今昔関係なく音楽を好む
・少しテイストの異なったドゥームデスが聴きたい

■主な入手方法
・S.A. MUSIC
・diskunion
・Solitude Productions

■この音源に近いアプローチをとるバンド
PANTHEIST、Arcana Coelestia
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感情を失っていく過程をゆっくりと描くようなSeptic Mindの2ndアルバム

Septic Mind 『The True Call』
┃ロシア
┃2ndアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2011年
┃レーベル/Solitude Productions


 前作から1年と間をおかずにリリースされた2ndアルバム。全3曲59分。
 本作もESOTERICの影響下にある音を鳴らしているものの、濁っていた音は澄み、もともとスローだった曲調はさらに力を抜かれた緩やかな流れへと変化。そのため今回音につられて喚起されるイメージはどことなく宇宙空間を思わせ、無限に広がる空間を漂流していく感覚が得られる仕上がりに。ほとんど目立つ動きをしていなかったシンセも、冷たい音を吐き出しながら渦巻き、どこが上かも下かもわからなくなるようなぼんやりとした印象を後押ししている。
 宇宙を想起させるフューネラルドゥームと言えば他にURNAがいますが、開放感のあるあちらとは心に落とすものが正反対なのが面白いところで、強烈な閉塞感が最初から最後まで付きまとう。広大な宇宙にポツンと捨て置かれ、帰り場所もわからず何十年と彷徨ったすえに、磨耗していった感情が今まさに底を付こうとしている。そのような模様が脳裏に浮かぶ。

 幻惑してくるくだりは前作と同じではありますが、イメージさせるものをガラリと変えてきたなというのが第一印象。そして重みのあった前作とは異なり、ゆったりとした流れに力を注いでいる作風のため、ドゥームメタルファンにはやや薦めづらい作品となっています(一応#3に重いグルーヴを持たせた曲がありますが、ここに至るには長い#1と#2を経ないといけない)。
 ともかくREIDOの1stやIntaglioなどといった虚無感の強いバンドを好む人にオススメ。
 本作を聴きながら宇宙の写真を見ると、感情を吸い込むぽっかりと開けた巨大な口にしか見えなくなることうけあい。

【ピックアップ】03.Planet is Sick
 前2曲とは違ってグルーヴをともなったリフが飛び出す曲。その後も遅くも前のめりな姿勢で攻めていくものの、活力を取り戻したというより、やけっぱちな感じなのが救えない。終盤ではメロディを描くギターがクライマックスを劇的に彩るも、やはり受ける印象は最後の灯火。

■こんな人にオススメ
・何もかもがどうでもいい
・宇宙に行きたい

■主な入手方法
・AMAZON(DLのみ)
・diskunion
・Solitude Productions

■この音源に近いアプローチをとるバンド
ESOTERIC、REIDO、Intaglio


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泥海にズブズブと果てしなくのまれていくようなロシアのフューネラルドゥーム

Septic Mind 『The Beginning』
┃ロシア
┃1stアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2010年
┃レーベル/Solitude Productions


 ロシアのフューネラルドゥームバンドによるデビューアルバム。全3曲60分。
 ESOTERICの持つ圧倒感や神々しさを取り払い、酩酊感のみを抽出したようなバンドで、ズブズブと際限なく沈んでいけそうなサイケデリックな感触が非常に濃厚。ドロリとした質感を持つギターとベースが、それぞれの音を溶け合わせるようにゆっくりゆっくりと渦巻く#1の冒頭からして強い牽引力を含んでおり、安易に近寄ってはいけない禁忌感を覚えつつも、音の心地よさに思わず身を浸してしまう作りが凄い。酩酊感を出すにしても、ベクトルが常に下へ下へと向かっていくのがこのジャンルらしいところで、深層心理の泥海を深く深く下降し、理性の及ばない領域へと進入。さらに深くどこまでも潜っていく。それに加え、ディープなグロウルヴォイスが、さながら深淵からの呼び声のようであるのと、情緒を描かずに方向感覚を乱す方向に走るメロディが、どん底への手引きを更に情け容赦のないものへと落とし込んでいる。
 ところどころ安心感を生むギターのメロディや、ドゥームらしく無骨に迫るアプローチが顔を覗かせるものの、アルバム全体のトーン自体は一定。焦燥感を煽るラストのくだりはさておいて、一点に振り切ったバンドならではのわかりやすさが、最大のアドバンテージだと思う。路線そのものは大衆的ではありませんが、何を表現したいのかは掴みやすい。

【ピックアップ】03.The Ones Who Left This World
 序盤は浮遊感のあるくだりを挟みつつ重低音が支配する場面を描くが、次第に加速。闇雲に突進した先には、切迫した息使いと高鳴る心臓のSE、喧騒の度合いを強めるノイズによって焦燥感を追い立てられる場面が待ち受ける。そして突如ブツっと切れて、高まった不安に空を切らせるなんとも嫌な幕の締め方。世界の終幕を示唆しているようでどうしようもない。

■こんな人にオススメ
・堕落したい
・思考するのが好き

■主な入手方法
・GRAVE
・diskunion
・Sabbathid Records

■この音源に近いアプローチをとるバンド
ESOTERIC、The NULLL Collective


 どれから聴いていいのかわからない人、またはクオリティの高いものだけをつまんでいきたい人に贈る記事。

……わかりやすさ重視で「クオリティの高いもの」とは言ったものの、語弊がありまくりなので(メロディ多め、音質が良い、ドゥームらしい重さがある)と、普段他のジャンルを聴いている人が求めるであろう要素を想像しながら翻訳。後は入手しやすい音源を優先的に選出しました。


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底無しの神秘体験を保障するURNAの3rdアルバム

URNA 『Iter Ad Lucem』
┃イタリア
┃3rdアルバム
┃ジャンル/ブラック/フューネラルドゥーム
┃リリース/2009年
┃レーベル/Aeternitas Tenebrarum Musicae Fundamentum
┃マイスペース/
http://www.myspace.com/urnaproject

 2009年リリースの3rdアルバム。
 前作のレビューでは「人知を超えた存在に対する畏怖と憧憬」の憧憬を強調したような音と形容しましたが、本作ではさらに吹っ切れており、神的な存在への狂おしいまでの同化願望と、それにともなう凄まじいまでの美化でサウンド一面を塗り固めている。
 #1から、いきなり天を貫くようなギターのメロディを筆頭に、無数の音を叩きつけ、なかば強制的に作品世界へと攫っていくくだりは圧巻。音の反響にもかなり気を配っており、一気に聴き手を多大なる空間へと放り投げる。あまりにインパクトの大きい幕開けなだけに出オチを疑うものの、すかさずアンビエントパートを差し込んだり、ポストロックに通じる叙述性を少量導入したりなどして、大味になるのを回避しつつ、しっかりテンションを保つのがさらに凄い。おまけに、神聖的な場面を最大限まで増やしたことにより、不穏さを匂わせる場面(突如の疾走など)も減ったので、突き上げるような開放感を邪魔するものはなく、想像力の赴くままにどこまでも羽を広げることが出来る。

 自らの売りを自覚したうえで長所を伸ばせるところまで伸ばした印象を受けますが、ちょうどジャケのほうも、ミスマッチだったブルデス風な禍々しいロゴは今回は使用せず、アートワークもミステリアスな雰囲気を帯びたものとなっており、音のイメージを反映していて良い。
 ちなみにブラックメタルの要素は一応残っているものの、邪悪さがあるかどうかのレベルではないため。もはや形骸化している感じですが、もはやそのような要素を求めるのが野暮と言えるほどに突き抜けているので些細な問題でしょう。
 URNAの代表作を決めるとなれば本作になるのではないかと。

【ピックアップ】02.II
 アンビエントパートを挟んだのちに盛り上がったと見せかけてフェードアウト……。

■こんな人にオススメ
・宇宙とか好き
・解放を望む

■主な入手方法
・diskunion
・T.H.A.
・Solitude Productions

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Ea、ESOTERIC


Inanimus.jpg

先人達の手法を踏襲しつつ一味加えたルーマニアのフューネラルドゥーム

Aabsynthum 『Inaminus』
┃ルーマニア
┃2ndアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2011年
┃レーベル/Marche Funebre Productions
┃マイスペース/
http://www.myspace.com/aabsynthum

 ルーマニアの独りフューネラルドゥームバンドの2ndアルバム。過去作では2人ほど関わっていたものの、今回は音もカバーアートもGroza Gabrielひとりで制作している。
 1stはフューネラルドゥームと言うよりゴシックドゥームのカテゴリに入るような“動く”場面の多い音でありましたが、本作ではスローな場面が増えたことによりフューネラルドゥームらしくなり、その手の嗜好に応える出来になっています。
 基本的にギターよりもキーボードがメインを務めるSKEPTICISMの血を受け継いだ路線を下地としていますが、ヴァイオリンのような音色を多用することで他と差別化を図っており、それによって生まれる暗くも気品が高そうな雰囲気が最大の売りでしょうか。いかにもゴシック的な慟哭を誘うコッテリとした場面が出てきそうであるものの、#3で前作のように動く場面を除けば、徹底的に遅く進行し、2重3重4重5重……と雰囲気を上塗りしていくだけなので逆に新鮮で良いです。そうは言っても完全に泣かせる要素は捨てておらず、微弱ながらも涙腺を刺激してくるのがポイント。ゴシック嗜好を持っている人からすると寸止めもいいところかもしれませんが。

【ピックアップ】04.That Comes Before the Final... Rest
 珍しくギターが前面に出ている場面が多い曲。感情を抑えつつも隙間から漏れ出るような終盤も聴き所。

■こんな人にオススメ
・雰囲気モノを好む
・寸止め大好き

■主な入手方法
・AMAZON
・diskunion
・Solitude Productions

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Comatose Vigil、Lethargy Of Death


Sepulcrum.jpg

「畏怖と憧憬」の、憧憬大盛りで展開するイタリアのブラック/フューネラルドゥーム

URNA 『Sepulcrum』
┃イタリア
┃2ndアルバム
┃ジャンル/ブラック/フューネラルドゥーム
┃リリース/2006年
┃レーベル/Aeternitas Tenebrarum Musicae Fundamentum
┃マイスペース/
http://www.myspace.com/urnaproject

 Arcana Coelestiaのメンバーも参加するイタリアのブラック/フューネラルドゥーム2作目。
 ジャンル欄にブラックと書きましたが、とりわけ強く反映されているのは疾走パートのみで、基本的にドゥームが主体。その疾走パートにしてもスタイル的にはブラックメタルを演奏しているものの、邪悪さはあんまり感じられないのでブラック色に期待すると肩透かしを食らうかと。
 強くむせび泣いたり、チクチクと情感を刺激するようなことはせず、底知れないミステリアスな雰囲気を出すことに終始し、人知を超えた存在に対する畏怖と憧憬を描いていく。ゆったりとした歩みの中に、幻惑するような響きが絡むところはESOTERICを彷彿。畏怖と憧憬の双方を同じ量だけ入れたESOTERICに比べ、圧倒する描写よりも、異空間を流れるままに漂う描写が多いことから、どちらかといえば畏怖よりも憧憬が強めな印象。圧力をかける場面はあってもしつこく繰り返さず、あっさり次の場面へと移って作り出した緊張感を解いていく。やや危うげな場面少なめに、神的なものと同一化するような安心感が全編通して得られるのがこのバンドの売りかと。ESOTERICに対して「重すぎる」と感じていた人にはうってつけ。

【ピックアップ】08.Sic Juvat Ire Sub Umbras Mmvi
 10分近いアンビエント曲。非現実な音で意識を溶かす。次の曲はBeheritのカバーなので実質的にアルバムを締める曲でもある。

■こんな人にオススメ
・神秘的な音楽が好き
・遅いといってもアクセントは欲しい

■主な入手方法
・diskunion
・T.H.A.
・Solitude Productions

■この音源に近いアプローチをとるバンド
ESOTERIC、Septic Mind





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