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フューネラルドゥーム追っかけブログ。

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序盤から飛ばすが終盤が尻すぼみな5thアルバム

Ea 『A Etilla』
┃出身不明
┃5thアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2014年
┃レーベル/Solitude Productions
┃バンドキャンプ/ http://eadoom.bandcamp.com/

 正体不明(そういうことにしておいてください)フューネラルドゥームバンドによる5thアルバム。今回も1曲のみの収録。トータル49分。
 2ndアルバム以降コンスタントなリリースを維持しており、本作で早くも5作目。音の方向性は前作と同じく、1~3rdアルバムの要素を総括したもの。率直に言っていよいよマンネリを感じないわけではありませんが、手堅くまとめていて、従来のEaが好きならば安心できる作品に仕上がっています。あいかわらず醸し出される雰囲気は、浄化されそうなほど神秘的。場面転化も自然で、思いついたリフを単に繋げただけの雑な展開はしません。11分付近の、神々しさに一瞬だけ陰が差す場面が特にお気に入りです。ただ、見せ場が前半に集中しており、後半は消化試合のように感じてしまったのが残念でした。1st、2ndにあった、クライマックスな展開にさらにクライマックスが重なってくる怒涛の展開に魅了された身としては、とてもいただけない点です。コンスタントに出すのもいいのですが、もっと時間かけて練り上げて欲しいのが正直なところ。





■こんな人にオススメ

・Eaが好き

■主な入手方法
・Solitude Productions
・bandcamp

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Funeral Tears、The Howling Void、Kairi
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インパクト絶大なブチかましスラッジ

┃Relic Point 『VIXI』
┃ロシア
┃1stアルバム
┃ジャンル/スラッジ/ドゥーム
┃リリース/2014年
┃レーベル/Self release
┃バンドキャンプ/ http://relicpoint.bandcamp.com/

 ロシアのスラッジ/ドゥームバンドによる1stアルバム。全10曲58分。
 一聴してわかるとおり、そこらへんのスラッジバンドとは地の力からして違います。どれだけリスナーを威圧したいんだと言わんばかりな音の応酬に、感心を通り越して思わず一瞬呆れ果てました。気合の入りっぷりが尋常ではなく、一音聴いただけで目が覚めます。音作りは今風な硬質な感じで、グシャっと潰れてノイズを撒き散らさないあたりは、スラッジとして賛否が分かれそうではあります。Black Sheep Wallあたりと同じく、へヴィロック、モダンへヴィネス周辺を聴いて育った人向けのスラッジといったところでしょうか。
 大きなインパクトを与える音源のよくある欠点なのですが、残念ながら本作もやはり中盤あたりでどうしてもダレてきます。一応、ポストメタル風に叙情感をほのめかしたり、ブラックメタル風に突進したりと展開そのものは豊富で、作り手の飽きさせない工夫は随所に見られます。しかし、感情表現がひたすら「ブチ切れる」に一貫しているためか、全体を通してトーンが変わらず、ワンパターンな印象を受ける原因になっています。1回聴いただけでリスナーの心を掴む力を持っているバンドだけに、これはとても惜しいところ。是非、次作ではもっと幅を広げてもらいたいです。
 マイナス点が目立つ書き方になってしまいましたが、憎悪をふんだんに込めたスラッジが聴きたい人に強く勧めます。



【ピックアップ】02.I'm A Vision Of Nothing
 脳天に鉄槌どころか、大きな鉄の塊が叩き込まれる。やりすぎ。

■こんな人にオススメ
・一聴目のインパクト重視
・怒り以外はいらない

■主な入手方法
・bandcamp

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Black Sheep Wall、REIDO




圧倒的威圧感を誇るフィンランドのデスメタル

┃CORPSESSED 『Abysmal Thresholds』
┃フィンランド
┃1stアルバム
┃ジャンル/デスメタル
┃リリース/2014年
┃レーベル/Dark Descent Records
┃バンドキャンプ/ http://darkdescentrecords.bandcamp.com/album/abysmal-thresholds

 フィンランドのオールドスクールデスメタルバンドの1stアルバム。
 ここ最近、デスメタルが音質の向上、テクニックの追及などによって洗練されていく一方で、その流れに逆行するかのように若手のオールドスクールデスメタルバンド等によるリリースが目立ちます。デスメタルに本来備わっていた陰湿で汚い側面を再評価し、取り戻そうとしているのでしょうか。どれもこれも質の高いものばかりで、そのあたりにアンテナを張っているだけで興味深いバンドが多く見つかり楽しいです。なかでも自分が注目していたのがこのCORPSESSED。INCANTATIONの持つ地獄的な威圧感をさらに推し進めていて、リスナーを圧しながら絶大な力で引きずり回す様子は強力無比。人外な低さで吼えたてるボーカル含めて一遍のスキなく重いです。そのせいか、ブラスト絡めて走るパートもどことなくドゥーミーな印象を受けます。案外自分が惹かれたのもそこにあるのではないのかと。もしかするとドゥーム好き向けかもしれません。

 ちなみにProfetusとTYRANNYに関わるメンバーが在籍しています。他にもフューネラルドゥームバンドに在籍しながらこの手のデスメタルをプレイする人も多いことですし、ジャンル同士切っても切れない関係があるのでしょうか。



【ピックアップ】08.Demoniacal Subjugation
 気迫で威圧して、圧倒的な力を振るう。腕力があるくせに相手を呪う力にも長けているような二重のどうしようもなさがあります。どう立ち向かっていいのかわからず、ただ平伏すしかない。

■こんな人にオススメ
・ひたすら重い作品が好き
・支配されたい

■主な入手方法
・amazon
・diskunion
・record boy

■この音源に近いアプローチをとるバンド
INCANTATION、Maveth




あたり一面を覆う濃霧の壁

┃Funeral Moth 『dense fog』
┃日本
┃1stアルバム
┃ジャンル/フューネラルドゥーム
┃リリース/2014年
┃レーベル/Weird Truth

 日本のフューネラルドゥームバンドの1stアルバム。全4曲73分。
 霧です。濃霧です。dense fogです。どうでもいいことですが、最初から明確なイメージが付けられていると感想文書きやすくていいですね。妄想もはかどりますし。
 DEMO時ではジャケ画はバンドロゴのみ、音は重さに任せた圧殺路線であったため、フルアルバムも一切の感情移入を拒み、想像の入る余地のない近寄りがたい作品になると思っていました。それだけに、霧のたち込めるジャケからして衝撃で、まさか情景を描く路線に舵をきっているとは予想もできず。ポツポツと音を鳴らして、映像喚起力に働きかけてくるのが、妄想癖ある私としては大変好みで良いです。#3を筆頭に、若干であるもののメロディックになっていますし、Mournful CongregationのJustin Hartwigがゲスト参加しているおかげか、#1の後半の泣きっぷりも凄いことになっています。このように聴きやすさも出ているので、DEMOに苦手意識を持った人でも再挑戦の価値はあるかと。ただ、重く酷薄な面が綺麗さっぱりなくなったわけでもないので、ゴシック要素のあるドゥームが好きな方には厳しいと思います。歌詞のほうも自虐的で、ひたすら苦痛を自らに科しており、少しメロディが増えたとはいえ、安易な甘えや救いを許さない表現を貫いていることに変わりはないです。

 ともかく『濃霧』というイメージ付けの時点でドストライクな一枚でした。『闇』と同じく、煩わしい人々による好奇の視線を遮り、現実から開放してくれる霧。逆に、前を見つめて進む人の見通しを遮る霧。モチーフとしてこれほどおもしろいものはないでしょう。この作品から漂い出る濃霧が身を隠す防壁となるか、行動を縛る檻となるかは聞き手しだいです。



【ピックアップ】04.自害 - kill yourself
 何よりも「きさまが、きさまを切り刻む」がインパクト大。「きさま」と言っていますが、そこに自分自身も含まれている気がします。

■こんな人にオススメ
・メロディはほどほどに
・霧が好き

■主な入手方法
・Weird Truth
・time bomb
・Grave
・diskunion
・record boy
・zero dimensional records

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Intaglio、REIDO、Hierophant


Eaの新作『A etilla』がBANDCAMPで視聴できるようになっています。路線は今まで通りであるものの、初っ端からクライマックスな展開で心を鷲づかみにかかってきます。鳥肌不可避。



Funeral Mothの待望の1stアルバム『dense fog』が2月にリリースされるようです。DEMOのときはひたすら圧殺一筋でしたが、今回は音の隙間も多くなり、想像力を刺激する作風になっているように思えます。



上半期ではとにかくリリース数自体が少なく、このまま本気でジャンルが死ぬのではないかと危惧をいだいていたのですが、下半期になって怒涛のリリースが続いてひと安心しました。まだまだ生ける屍ぐらいのポジションで存在していくようです。
 そんなわけで2013年のベスト、もといまとめ。フューネラルドゥーム編です。





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