フューネラルドゥーム追っかけブログ。
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水系のSEをふんだんに使用したアメリカのフューネラルドゥーム Celestiial『Where Life Springs Eternal』 ┃アメリカ ┃2ndアルバム ┃ジャンル/アンビエント/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2010年 ┃レーベル/Bindrune 軋みを上げるノイズが響く冒頭を聴いて、大きく路線変更したのかと思いましたが、その後は前作を踏襲したスタイルが始まり、少し安心。しかし、自然を思わせるSEと、陰鬱な演奏の合わせ技で聴かせる部分は前作と同じであるものの、重低音ギターの音が少しシューゲイザーを彷彿とさせる音に変化、特にヴォーカルはグロウルよりもスクリームの方をメインに使うようになっているため、人によっては別物に聴こえる度合いが変わるかと。 今回、SEはジャケからわかる通り、水系の音が終始バックで流れ、緩やかな小川に沿って、呆然とどこまでも歩いていくような感覚が得られる。 メロディックな面を見せる曲も間にありますが、2曲目「Great Storms Carry My Sadness」が30分を超える長さなので、敷地は若干高くなっており、雰囲気ものに慣れていない人にとって厳しい作風になっている。 【ピックアップ】03.From Elm Blossoms a Rose 前曲の水の音を引き継ぎ、穏やかなファンタジー世界を歩くような場面へと。 ■こんな人にオススメ ・自然が好き ・どこかに行きたい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・Solitude Productions ・WEIRD TRUTH ■この音源に近いアプローチをとるバンド BOSQUE PR 陰鬱な面持ちでジャングルを彷徨い歩くアメリカのフューネラルドゥーム Celestiial『Desolate North』 ┃アメリカ ┃1stアルバム ┃ジャンル/アンビエント/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2006年 ┃レーベル/Bindrune Agallochのメンバーを要するアメリカのフューネラルドゥーム。アンビエント色を織り込み、SEを多用、というよりは演奏の後ろで延々と流すほどで、雰囲気もののテイストが強い。もちろん起伏はなく、音世界に浸ることのみを打ち出したアプローチをかけてくる。 Agallochと同様に自然信仰が濃く反映されており、使われるSEは鬱蒼としたジャングルをイメージさせる類のものばかりで、多数の生命の声を聴くことができ、そこに覆いかぶさるのは、這いずる重低音と、生気なく唸ることしかしないヴォーカルによって作り出される暗く影を落としたサウンド。生命の音に、死に掛けた音というミスマッチさが、ある種の異様な感触を生み出しています。基本的に持ち出してきたSEが、自然を美化した目線で選んだような綺麗なものばかりなので、自然と同化したい願望が嫌というほど漂う。 先に書いた通り、起伏はありませんが、曲の間にメロディックな小曲を挟んだり、なによりSEの存在のため、敷地はそれほど高くはないです。 陰鬱ですが安堵感は多く得られるので、根暗人のための癒し音楽かと。 【ピックアップ】08.Ashen 静寂。少しメロディックに盛り上がり、再び静寂へ。 ■こんな人にオススメ ・自然が好き ・どこかに行きたい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・Solitude Productions ■この音源に近いアプローチをとるバンド Until My Funerals Began
ベラルーシの独りバンド。ベラルーシと言えばREIDOがいますが、こちらのバンドも環境に対して一家言あるご様子。ただし、虚無感が強く支配するREIDOとは違い、荒廃した世界を淡々と映し出していくことをメインとしているので、若干アプローチの仕方は異なる。何もかもが朽ちて、肌をヒリヒリと痛ませる乾燥した風が無常に吹き荒れる、壊れてしまった世界を徹底して描いていく。 淀んだ空気の滞留を思わせるアンビエント曲と、重低音でゆったりと押すドゥーム曲を交互に配置することで、アルバム全体にメリハリを付けています。手法が安易なのも否めませんが、雰囲気はしっかり立ち上げており、イメージに繋げやすい。 野暮ったさはあるものの、映像喚起力は良い線いっているので、今後に期待したいです。 【ピックアップ】05.Channels of the Dried up Damned Rivers... 神聖なムードが漂う曲。オルガンが神々しい。 ■こんな人にオススメ ・想像するのが好き ・誰もいない所に行きたい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・GRAVE ■この音源に近いアプローチをとるバンド REIDO、Solicide C級とC級を抱き合わせても、C級であることにかわりのないSplit音源 Maiden Voyage / Amaranthine Trampler ┃イギリス ┃Split ┃リリース/2006年 ┃レーベル/Endless Desperation 両バンド共にLee Paxtonによるプロジェクト。DEMO音源をカップリングしてリリース。 Maiden Voyage『The Journey Embarks』 ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム 前半4曲収録。 小波のSEを挟みつつ、間延びした気だるげな演奏が続く。憂鬱な航海をイメージさせますが、この路線をグレードアップさせたSOMNOLENTの存在があるので、そちらのほうが断然良いです。 あまりにも地味なため遭難したまま帰ってきません。遭難理由は不幸な出来事ではなく、たぶん怠惰。 Amaranthine Trampler『...as the Colour of Love Flows From My Shattered Teeth』 ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃マイスペース/http://www.myspace.com/amaranthinetrampler 後半7曲収録。 Maiden Voyage以上に地味で、モッサリとしたリフがモッサリな如き動きを見せ、モッサリ感しか与えないモッサリ地獄。 しかも前半担当よりもこの音源の方が後に作られており、順調に退化の道を歩んでいます。 ■こんな人にオススメ ・あえて野暮ったいので ・自暴自棄 ・在庫を減らす手伝いができる人 ■主な入手方法 ・GRAVE ・WEIRD TRUTH ・Sabbathid Records ■この音源に近いアプローチをとるバンド THERGOTHON、SOMNOLENT 痛みに耐えつつ前進の道へと漕ぎ出した、オランダのフューネラルドゥーム Night of Suicide『Desire』 ┃オランダ ┃3ndアルバム ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2011年 ┃レーベル/Solitude Productions ┃マイスペース/http://www.myspace.com/nightofsuicide もはやこのジャンルの代表レーベルになりつつあるSolitude Productionsに場所を移しての第1作目。 ものすごくメロディアスになっていることにビックリ。前作は、諦観の中に前進の意思を匂わせる程度でしたが、本作は冒頭から思いに突き動かされるままに、情の捻出が吹き零れそうなほど溢れ出て止まない。しまいには普通にミドルテンポで進む場面まで聴くことができ、前進への道へ至ることをあらわにしている。 神聖な空気を噴出し、場を飾るキーボードと、主張しすぎない重低音ギターをバックにしているところまでは従来通り、その前面で踊るギターのメロディは、悲哀が反映されたタイプばかりなのに、光への渇望も見せて、どこか勇壮ですらある。もちろん、メロディによる押しも増えはしましたが、若干明るいニュアンスになっているのも、前向きな印象を与える要因の1つかと。あとそれでありながら押し付けがましくないのがポイント高いです。 メロディを求めてフューネラルドゥームを手に取る人にとって要チェックな1枚。 【ピックアップ】03.Desire アルバム表題曲。素朴な冒頭を経て、場面が変わり、軋みを見せながらギターのメロディが舞う。 ■こんな人にオススメ ・根暗から脱却したい ・メロディは多めがいい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・はるまげ堂 ・Solitude Productions ■この音源に近いアプローチをとるバンド Mournful Congregation、Until My Funerals Began、DEAD MONUMENTS ジワリジワリとメロディが心身に染み入る、オランダのフューネラルドゥーム Night of Suicide『Unanswered』 ┃オランダ ┃2ndアルバム ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2008年 ┃レーベル/Satanarsa ┃マイスペース/http://www.myspace.com/nightofsuicide フォーマットはSatanarsaらしくCDR。 引き合いに出すならTHERGOTHONが近く、キーボードで場を彩りながらもあくまでメインはギターが担い、与える印象もまた趣を同じにしている。 メロディは比較的多めに導入されていますが、過剰に悲しみを主張する類のものではなく、地味ながらも一音一音ゆったりと心身に染みわたらせていくようなタイプで、ジワジワと効いてくる。スロウなテンポゆえにイメージさせるのは、やはり諦観の場面が多いものの、幾多のメロディが絡み合い、情念が噴出、高ぶりをみせていく様子に、疲労し、弱り果ててた中にも、まだまだ屈していない部分があるのが伺えます。 非常に遅い足取りでも、向かう方向はしっかりと前を示し、よろめき、立ち止りそうになりつつも、何かに突き動かされるように、一歩一歩踏みしめる模様に、同じ根暗人ならば心を動かされるのではと思う。 ところどころ垢抜けなさがありますが、新人らしかぬ要素も持っているので、目敏い人はチェック。 【ピックアップ】04.Live In Silence 最終曲。前曲で満たした情念を、畳み掛けとばかりに濃くしていく。聴いた後は、しがらみから開放されたような感覚が。 ■こんな人にオススメ ・根暗から脱却したい ・メロディは多めがいい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・GRAVE ・Solitude Productions ■この音源に近いアプローチをとるバンド THERGOTHON、Until My Funerals Began、DEAD MONUMENTS ギミックを増やしたものの、相変わらずシュールなフューネラルドゥーム NYCTOPHOBIA『ARID』 ┃イギリス ┃2ndアルバム ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2009年 ┃レーベル/セルフリリース ┃オフィシャル/http://nyctophobia.110mb.com/ イギリスのC級ドゥームの2nd。 今回は、前作の流れを踏襲しつつ、従来のドゥームメタルが持つ、重いグルーヴを見せる場面があったり、インダストリアルがかったノイズを塗したりと、やや実験的な作風となっている。 1曲目「Thirst」は相変わらず奇妙に響くシンセによって、ぼんやりとしたシュールな夢しか連想できない曲でありますが、次の2曲目「Under the Midday Sun」では、いきなり殺伐としたノイズが覆いかぶさってきて面食らう。ギターも終始、無機質にリフを刻むばかりで、ひりついたムードが強く匂ってくる。しかし、やはりチープな音質ゆえか、どこか鬼気迫った感が薄いため、シュールな印象であることには変わりなし。 どうしようもない物好きだけ聴いてください。 【ピックアップ】03.Exhaustion 前曲の流れを引き継ぎ、ドゥームメタルらしいリフで幕を開ける。メロディは、やっぱり怪しげ。 ■こんな人にオススメ ・変な音楽が聴きたい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・オフィシャルを通じてフリーダウンロード可能 ■この音源に近いアプローチをとるバンド Archaic、Until My Funerals Began Copyright © [ GARBOLOGY ] All Rights Reserved. http://garbology.en-grey.com/ |