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フューネラルドゥーム追っかけブログ。

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スケールアップされた絶望を纏い、迫ってくるゴシック/フューネラルドゥーム

COLOSSEUM『Chapter 2:Numquam』
┃フィンランド
┃2ndアルバム
┃ジャンル/ゴシック/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2009年
┃レーベル/Firedoom Music
┃マイスペース/http://www.myspace.com/colosseumband

 ありえない量の涙を流し、両手を広げながら絶望するような音楽であるのは本作でも同じ。……むしろ悪化し、さらにアプローチが大げさになっていて、それにより作為性が浮き彫りになっていますが、堂々とした佇まいが、聴き手にも居直りを強制してくる。ような気がします。
 キーボードによる過剰なオーケストレーションと、ときおりメロディックになるギターがメインを勤め、展開が急変するようなことはなく、淡々と進行。しかし、ふんだんにメロディを織り込んでいるので、単調なイメージは持ちません。そして今回、曲によっては金管楽器らしき音も加わり、とても個人のものとは思えない、拡大解釈された絶望が、スケールアップされて描かれる。
 本作も綺麗な部分が不自然に多く、装飾はゴテゴテ。ゴシック好きは歓喜。ゴシック嫌いは即嘔吐。

【ピックアップ】02.Towards The Infinite
 このバンドにしてはやや控えめな前半。その分、後半では濃縮された絶望クライマックスが待っている。

■こんな人にオススメ
・メロディックな音楽が聴きたい
・派手さが欲しい
・遅い音楽しか聴けない状態

■主な入手方法
・AMAZON
・diskunion
・GRAVE
・WEIRD TRUTH

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Shape of Despair、REMEMBRANCE、Lethargy Of Death
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Delirium.jpg

悲劇調の演劇を鑑賞しているようなゴシック/フューネラルドゥーム

COLOSSEUM『Chapter 1:Delirium』
┃フィンランド
┃1stアルバム
┃ジャンル/ゴシック/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2007年
┃レーベル/Firedoom Music
┃マイスペース/http://www.myspace.com/colosseumband

 ゴシック側に大きく比重の傾いたフューネラルドゥームを演奏し、聴き手に悲しげなムードを提供する類のバンドですが、シンフォニックなアプローチや、メロディなどが大仰なため、ややオーバーアクションなきらいがあります。かなり作為を思わせる部分が多い。ここまで派手に鳴らすからには、恐らく狙ってやっているのでしょう。おかげで、演劇を観ているような感覚があり、それがかえって、独特の音世界を構築する要因になっていると思います。非現実感が良い塩梅に。
 結構、耳残りの良いメロディも多いので、この手の音にメロディアスさを求める人にオススメ。逆にゴシックが嫌いな人にとっては、頭痛の種にしかなりません。

【ピックアップ】03.Weathered
 アルバム中最も印象に残りやすい曲。ギターによるメロディがナルシスティック。

■こんな人にオススメ
・メロディックな音楽が聴きたい
・派手さが欲しい
・遅い音楽しか聴けない状態

■主な入手方法
・AMAZON
・diskunion

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Shape of Despair、REMEMBRANCE、Lethargy Of Death


c117c2dd.jpg

毒々しく如何わしい世界観を繰り広げる、香港のフューネラルドゥーム

HYPONIC 『The Noise Of Time』
┃中国(香港)
┃2ndアルバム
┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2005年
┃レーベル/AreaDeath Productions
┃マイスペース/http://www.myspace.com/hyponic

 ちらほらとメタルバンドを輩出してる中国ですが、まだまだ物珍しく見られることから、シーンそのものは発展途上といった印象。そこにいきなりフューネラルドゥームときたものですから、雑多な中国、何が隠れているかわかりません。
 1stの時点では、北欧デスメタルの影響下にある音を出していたらしいのですが、本作ではフューネラルドゥーム以外にカテゴライズ不能のスタイルを貫いている。
 鬱系のメランコリックさもなければ、荘厳なシンフォニックさもない、ひたすら不安を煽るような描写ばかりを続けていく。不気味な残響音と、感覚を遮断するように広がるノイズエフェクトが、他との差別化を図っていて、まるで、衛生状態の悪い独房に、閉じ込められているかの如き閉塞感に支配されるなか、得体の知れない病原菌にゆったりと蝕まれていくようで、アルバムを深く深く聴いていくごとに、取り返しのつかないことになってしまいそう。この、淀み、爛れた空気は最後まで晴れることはない。

 欧米や西洋由来の暗さとは違った種類であり、同じアジア人ゆえに、こちらのほうが闇を濃く感じられるという人もいるかと。
 まさしく、この地域からしか生まれない唯一無二の作品。

【ピックアップ】02.Subconscious Attack
 怪しげなメロディ。雪崩れ込むザラついたノイズエフェクト。ひたひたと、死が忍び寄ってくる。

■こんな人にオススメ
・不気味な作品を所望
・珍しいものに目がない
・遅い音楽しか聴けない状態

■主な入手方法
・GRAVE

■この音源に近いアプローチをとるバンド
ESOTERIC、Of Darkness


0299bbda.jpg

広大な水面に浮き、緩やかに漂っていくようなウクライナのフューネラルドゥーム

SOMNOLENT『Monochromes Philosophy』
┃ウクライナ
┃1stアルバム
┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2008年
┃レーベル/Solitude Productions
┃マイスペース/http://www.myspace.com/somnolentband

 かなりオードソックスなフューネラルドゥームをプレイしている。このジャンルにあって自虐的ともとれるバンド名ですが、アンビエント要素のないタイプなので、一応は聴きやすい。
 アートワークや、結構な頻度で挿入される波や雨のSEにより、否が応でも海を連想。それにともない、後半ではやや不穏なパートが見られますが、基本的にこちらを安心させる類のメロディを多用してくるため、どこまでも広がる水面に浸りながら、漂い、なされるがままに自然に身を委ねるようなイメージが脳内に映し出される。強烈な絶望よりも、諦観が強く、終始穏やかさで包み込む。あきらめきったがゆえの平穏。
 途中、デスメタルらしく疾走するパートがありますが、これは余計に思いました。
 いろいろおぼつかない箇所があるものの、一定以上のクオリティは維持してます。メロディは多めなので、世界観に入りやすい。

 余談ですが、2011年にリリースされた2ndアルバムは、別バンドのように音楽性を変えているので注意。フューネラルドゥームではなく、ポストメタルやプログレを彷彿とさせるスタイルになっています。

【ピックアップ】04.Imperceptible Noise Of Moribund Impressions
 波のSEをバックにしてやや不穏なメロディが響く。どこへ流れ着いていくのかは、誰にもわからない。

■こんな人にオススメ
・正直人生あきらめたい
・疲れました
・遅い音楽しか聴けない状態

■主な入手方法
・GRAVE
・WEIRD TRUTH

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Mournful Congregation、AHAB、Maiden Voyage


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禍々しき雰囲気の中にかすかな美が光るフューネラルドゥーム

Torture Wheel『Crushed Under...』
┃アメリカ(オハイオ)
┃EP
┃ジャンル/アンビエント・フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2005年
┃レーベル/Firedoom Music
┃マイスペース/http://www.myspace.com/torturewheel

 キーボード主導のスタイルを採り、ギターは印象的なことはせず、ゆったりとしたサウンドを形作ることに専念している。起伏なく進んでいくので、アンビエントな感触が強く、想像力を刺激することにのみ特化したタイプ。
 繰り広げられる世界は、鬱々とした思念が幾重にも連なり、どこまでも禍々しい暗黒で支配されている。しかし、ほんの少しだけ綺麗なアプローチがあるおかげで、黒い世界観でありながらも、聴いていて心地よさも覚える。決して、闇を払うような綺麗さではないのがポイントで、暗い情念を肯定しているように思えるのが、鬱屈を抱えた人の安心感を誘う効果を上げている。
 暗黒賛歌な1枚。

【ピックアップ】02.Shadow Sect
 後半のピアノが印象的。控えめなメロディなのが良い。

■こんな人にオススメ
・同じ種類の人間を探している
・根暗だと思う
・遅い音楽しか聴けない状態

■主な入手方法
・AMAZON

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Funerary Dirge、Of Darkness


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The Sad Sunの音楽性を引き継ぎ、新たな味を加えたフューネラルドゥーム

The NULLL Collective 『De Monstris』
┃ベルギー
┃1stアルバム
┃ジャンル/デスメタル/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2010年
┃レーベル/Aesthetic Death
┃オフィシャル/http://nulll-void.com/nulll/collective/

 Stijn Van Cauterが携わる、The Sad Sunに使われる予定だった素材を取り込んだプロジェクトバンド。
 音楽性を引き継いでいるので、ほとんどバンド改名に近く、こちらでも、強迫観念が強く浮き出たイメージを立ち上げていく。かと言って、まるまるThe Sad Sunのサウンドということもなく、ダイナミックさや神々しさを加えて、音世界に入り込みやすいように改良されている。
 使われるリフとメロディは、情感を追い立てるタイプではなく、酷く不鮮明であり、これが混沌の渦巻く様子を描き出し、ときおり神聖な部分を垣間見せることもあるが、常に近づきがたい雰囲気を纏っている。
 極端に遅い、ムード重視のスタイルをとるものの、曲のあいまに、純粋に疾走するデスメタル曲を差し込んでくるのがポイント。速いパートと遅いパートの落差がありすぎるため、メリハリというよりも、かなり強引な感じを受け、全編通して聴くとやや実験的。
 つまりは、これも物好き専用音源です。

【ピックアップ】06.Silent Night
超有名曲のカバー。最後にこういう曲を持ってきても、心は浄化されず。何かの冗談にしか思えないです。

■こんな人にオススメ
・カオスな雰囲気のある作品が聴きたい
・ゆったりとした音楽しか聴けない状態

■主な入手方法
・GRAVE
・WEIRD TRUTH

■この音源に近いアプローチをとるバンド
The Sad Sun、ESOTERIC、Septic Mind


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それぞれ表情の違う曲が収録された、バラエティ豊かなフューネラルドゥーム

Wijlen Wij『Wijlen Wij』
┃ベルギー
┃1stアルバム
┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2007年
┃レーベル/Aesthetic Death
┃オフィシャル/http://wijlenwij.nulll-void.com/

 Stijn Van Cauter参加バンド。
 神々しいオルガンと厳かな歌から始まり、徐々にドラマティックに盛り上がっていく。壮大な内容を期待させるような導入部がとても良いのですが、2曲目で表情が一変。ドス黒い音塊が襲いかかり期待感を踏みにじるという、スケールの大きい内容を示唆したあとに、圧迫感の強い曲で、一気に奈落に突き落とす曲配置のしかたに悪意を感じます。ギャップが酷い。
 基本的に、SKEPTICISM由来のスタイルで展開していきますが、それぞれ曲の表情を大幅に変えていて、黒さを強調したタイプ、荘厳さを強調したタイプ、ダイナミックなタイプなど、ニュアンスを変えており、この手では珍しくバラエティは豊か。どのようなことを表現できるかを実験しているようにも捉えられます。
 SKEPTICISM好きに勧めたいのですが、前2曲のギャップがやはり問題となるかと。

【ピックアップ】02.Wijlen Wij
 振り下ろされ、ノイズを撒き散らす重低音ギターの音が、何よりも前面に出ているため、身動きが取れないほどの閉塞感を覚える。また、落胆し、うなだれる人をさらにジワジワ追い込むアプローチをするので、なによりも救いようがない。
 まさしく、鬱屈にさらなる鬱屈をぶつけて対消滅させることにしか、使い道がない一曲。

■こんな人にオススメ
・バラエティはあったほうがいい
・ゆったりとした音楽しか聴けない状態

■主な入手方法
・GRAVE
・WEIRD TRUTH
・オフィシャルを通じて通販&フリーダウンロード

■この音源に近いアプローチをとるバンド
SKEPTICISM、Profetus





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