フューネラルドゥーム追っかけブログ。
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先人達の手法を踏襲しつつ一味加えたルーマニアのフューネラルドゥーム Aabsynthum 『Inaminus』 ┃ルーマニア ┃2ndアルバム ┃ジャンル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2011年 ┃レーベル/Marche Funebre Productions ┃マイスペース/http://www.myspace.com/aabsynthum ルーマニアの独りフューネラルドゥームバンドの2ndアルバム。過去作では2人ほど関わっていたものの、今回は音もカバーアートもGroza Gabrielひとりで制作している。 1stはフューネラルドゥームと言うよりゴシックドゥームのカテゴリに入るような“動く”場面の多い音でありましたが、本作ではスローな場面が増えたことによりフューネラルドゥームらしくなり、その手の嗜好に応える出来になっています。 基本的にギターよりもキーボードがメインを務めるSKEPTICISMの血を受け継いだ路線を下地としていますが、ヴァイオリンのような音色を多用することで他と差別化を図っており、それによって生まれる暗くも気品が高そうな雰囲気が最大の売りでしょうか。いかにもゴシック的な慟哭を誘うコッテリとした場面が出てきそうであるものの、#3で前作のように動く場面を除けば、徹底的に遅く進行し、2重3重4重5重……と雰囲気を上塗りしていくだけなので逆に新鮮で良いです。そうは言っても完全に泣かせる要素は捨てておらず、微弱ながらも涙腺を刺激してくるのがポイント。ゴシック嗜好を持っている人からすると寸止めもいいところかもしれませんが。 【ピックアップ】04.That Comes Before the Final... Rest 珍しくギターが前面に出ている場面が多い曲。感情を抑えつつも隙間から漏れ出るような終盤も聴き所。 ■こんな人にオススメ ・雰囲気モノを好む ・寸止め大好き ■主な入手方法 ・AMAZON ・diskunion ・Solitude Productions ■この音源に近いアプローチをとるバンド Comatose Vigil、Lethargy Of Death PR 「畏怖と憧憬」の、憧憬大盛りで展開するイタリアのブラック/フューネラルドゥーム URNA 『Sepulcrum』 ┃イタリア ┃2ndアルバム ┃ジャンル/ブラック/フューネラルドゥーム ┃リリース/2006年 ┃レーベル/Aeternitas Tenebrarum Musicae Fundamentum ┃マイスペース/http://www.myspace.com/urnaproject Arcana Coelestiaのメンバーも参加するイタリアのブラック/フューネラルドゥーム2作目。 ジャンル欄にブラックと書きましたが、とりわけ強く反映されているのは疾走パートのみで、基本的にドゥームが主体。その疾走パートにしてもスタイル的にはブラックメタルを演奏しているものの、邪悪さはあんまり感じられないのでブラック色に期待すると肩透かしを食らうかと。 強くむせび泣いたり、チクチクと情感を刺激するようなことはせず、底知れないミステリアスな雰囲気を出すことに終始し、人知を超えた存在に対する畏怖と憧憬を描いていく。ゆったりとした歩みの中に、幻惑するような響きが絡むところはESOTERICを彷彿。畏怖と憧憬の双方を同じ量だけ入れたESOTERICに比べ、圧倒する描写よりも、異空間を流れるままに漂う描写が多いことから、どちらかといえば畏怖よりも憧憬が強めな印象。圧力をかける場面はあってもしつこく繰り返さず、あっさり次の場面へと移って作り出した緊張感を解いていく。やや危うげな場面少なめに、神的なものと同一化するような安心感が全編通して得られるのがこのバンドの売りかと。ESOTERICに対して「重すぎる」と感じていた人にはうってつけ。 【ピックアップ】08.Sic Juvat Ire Sub Umbras Mmvi 10分近いアンビエント曲。非現実な音で意識を溶かす。次の曲はBeheritのカバーなので実質的にアルバムを締める曲でもある。 ■こんな人にオススメ ・神秘的な音楽が好き ・遅いといってもアクセントは欲しい ■主な入手方法 ・diskunion ・T.H.A. ・Solitude Productions ■この音源に近いアプローチをとるバンド ESOTERIC、Septic Mind 数々の音が聴き手を導く、フランスのゴシック/フューネラルドゥーム REMEMBRANCE 『Frail Visions』 ┃フランス ┃1stアルバム ┃ジャンル/ゴシック/フューネラルドゥーム ┃リリース/2005年 ┃レーベル/Totalrust Music ┃マイスペース/http://www.myspace.com/remembranceband ┃フェイスブック/http://www.facebook.com/remembranceband LETHIAN DFREAMSのメンバーによるゴシック/フューネラルドゥームバンドの1stアルバム。 ゴシック色の強いバンドに関わってきたメンバーだけに、本バンドも持ち前のゴシック観を用いて余すところなく彩った1枚に仕上がっている。 ドゥームらしく遅い場面はあれど、流れるように空間を滑る悲劇調のオーケストレーションや、重圧さを加味するギターなどが要所要所にて動き、とにかく場を持たせようとする。特に活躍しているのがピアノで、ひっそりと佇む場面で淡々と鳴り、離れないように聴き手を導いていく。使える素材を忙しく引っ込めたり表に出したりを繰り返すその様は、遅さを生かした作品の宿命である悠長さに抗おうとしているかのよう。ハイライトといえるくだりで、清廉とした女性コーラスを導入してくる演出もベタだけど良い。 同系統のShape Of Despairと比べると、装飾は抑え気味である反面、クドさも控えめ。ゴシックとフューネラルドゥームのど真ん中に位置する音だけに、中途半端に捉えられるかもしれませんが、フューネラル側の嗜好を持つ私としてはこれくらいがちょうどいい塩梅でした。 【ピックアップ】07.Thy decay 風の音とピアノによる静謐な場面から、不意打ち的に鳴らされる重低音が大きなインパクトを与える。その後オルガンや女性コーラスなどで神々しさを出すなど、シーンの転換は鮮やか。 ■こんな人にオススメ ・ゴシックドゥーム好き ・極端な遅さは求めない ■主な入手方法 ・GRAVE ・WEIRD TRUTH ■この音源に近いアプローチをとるバンド Shape Of Despair、COLOSSEUM 硬派と軟派のあいだを行く、Comatose Vigilの2ndアルバム Comatose Vigil 『Fuimus, Non Sumus』 ┃ロシア ┃2ndアルバム ┃ジャンル/フューネラルドゥーム ┃リリース/2011年 ┃レーベル/Solitude Productions ┃マイスペース/http://www.myspace.com/comatosevigilofficial ┃バンドキャンプ/http://comatosevigil.bandcamp.com/ Abstract Spiritのメンバーも在籍する、ロシアのフューネラルドゥームバンド。2作目。 空間の広がりと神聖な雰囲気を作り出すキーボードをメインとするところはこれまで通り。 本作の路線は、聴き手の叙情感を揺さぶることを根底に据えている。しかし、メロディを大きく目立たせることはせず、変にキャッチーになってしまうことを極力抑えてもいて、過去作と比べた場合、ゴシック的アプローチの増えた2006年のEPよりも、徹底的に遅く迫る1stに近い。一方で、感情移入を跳ね除ける無慈悲さは見られず、幾分か歩み寄りやすさも残しており、ちょうど1stとEPの中間をいくサウンドに納まっている。双方の良さを取り入れて順当にグレードアップさせた印象が濃い。 どのような場面においても、決して前のめりにならないのが本作の凄いところで、音のひとつひとつを耳と心に丹念に練り込むように響かせ、たとえクライマックスとなろうともスローな筆致は揺るがない。その姿勢からくる堂々とした佇まいが、感動を誘う路線でありながら「あざとい」といった感想を寄せ付けないでいる。さじ加減は絶妙。 聴きやすさを削がないように、慎重に贅肉だけを削ぎ落とした意欲作。 【ピックアップ】03.The Day Heaven Wept 3曲目にして最終曲。前2曲に比べてキャッチーであるものの、それでも安易さは感じさせない張り詰めた空気が良い。 ■こんな人にオススメ ・シンフォニックな音が好き ・遅い音楽しか聴けない ■主な入手方法 ・AMAZON(DLのみ) ・diskunion ・Solitude Productions ■この音源に近いアプローチをとるバンド Torture Wheel、Lethargy Of Death 垢抜けないが、微量ながらも魅力を含んだチェコのフューネラルドゥーム MISTRESS OF THE DEAD 『CRYPTIC』 ┃チェコ ┃1thアルバム ┃ジャンル/アンビエント/フューネラルドゥーム ┃リリース/2006年 ┃レーベル/Epidemie Records ┃マイスペース/http://www.myspace.com/vladcristeavales 多数のDEMO音源をリリースし続けるMISTRESS OF THE DEADのフルとしては1作目。 紛れもないB級フューネラルドゥームであり、遅いテンポに合わせて伸びゆくチープな重低音が脱力を誘う。音質の悪さでカルト臭を匂わすことも出来ているとは言えず、安っぽい印象がどこまでも拭えない。以後の作品でも進歩が見られないため、そもそも活かす気もなさそう。 これでせめてメロディックな面で楽しませてくれれば良かったものの、よりによってアンビエント色を多く導入した、いわば音作りが作品の出来を左右する路線を貫いているので、救いのなさに拍車をかけることに。この音源を聴いていると、良い意味でのアングラ感を醸し出す工夫がいかに難しいことか考えらせられる。どうも単に音を悪くさせるだけでは駄目らしく、聴いていると思いがけず、雰囲気を出すのに成功しているバンドの再評価に至ってしまいました。 一応、繰り返し聴いていたらチープさが反転して、段々かわいらしく思えてきましたが、こういう風に好意的に捉えられるのは一部のどうしようもないフューネラルドゥーム好きだけでしょう。 マニア以外手出し厳禁。 【ピックアップ】03.The Sadest Autumn 唯一のメロディック曲。淡々としたピアノに、弱く悲鳴をあげるようなギターが絡まる。感情を抑えつつも隙間から悲痛さが漏れ出ている模様を想起させ、この曲に限っては音質が気にならず、むしろ味方をしているとさえ思う。音が安っぽいがゆえ、逆に弱々しさを描いたら堂に入るのでしょう。 気取らずこの路線を貫けば良いのに。 ■こんな人にオススメ ・弱い人間 ・フューネラルドゥーム好き ■主な入手方法 ・WEIRD TRUTH ■この音源に近いアプローチをとるバンド SATEN、Station Dysthymia 神聖さと忘我感を荒いノイズで包むロシアのアンビエント/フューネラルドゥーム FLEGETHON 『Behind a Side of Times』 ┃ロシア ┃6thアルバム ┃ジャンル/アンビエント/フューネラルドゥーム ┃リリース/2008年(オリジナル盤:2005年) ┃レーベル/March Funebre Productions(オリジナル盤:Satanarsa Records) ┃オフィシャル/http://www.flegethon.narod.ru/ いつもロシアのCD-R専門レーベルSatanarsa Recordsから音源を大量リリースしているFLEGETHONですが、本作だけはMarch Funebre Productionsより、CDフォーマットで再発。明らかに他の作品とは違う扱いを受けていますが、基本的にチープな曲ばかり作るFLEGETHONの諸作品の中でも、特にしっかりしたクオリティを保っているので、ちゃんとした形での再リリースには納得。とは言いつつも、あくまで比較対象はFLEGETHONの諸作品内なので、敷居は依然として高い。 アンビエントに寄り添ったフューネラルドゥームを演奏しており、もちろん緩急を付けることはハナから投げている。空気に押されて漂う霧のように、ただ流れるままに身を任せるサウンドであり、シンセが薄っすらと神秘的な彩りを与え、曲の後半で姿を表す意外にもエモーショナルなメロディが耳を引く。あと一歩のところで聴きやすさを捨てていないのが良い。 全体的にかなりノイズ混じりな音像で、そのザラザラとした質感から、荒々しくなったUntil Death Overtakes Meと例えたくなる。前述した通り、敷居は高いですが、Stijn Van Cauter関連の作品が好きであれば抵抗はないでしょう。 最後にひとつ。今のところフューネラルドゥームをやっているのは本作だけなので、他の作品に手を伸ばすときは注意。 【ピックアップ】04.Memoirs From Dreams やや動的な冒頭から、シンセ以外の音がサッと退いて、静寂を演出。重い音は鳴っていないのにもかかわらず、流れる雰囲気は重たげ。強烈な忘我感に襲われる。 ■こんな人にオススメ ・茫然 ・自失 ■主な入手方法 ・WEIRD TRUTH ・Solitude Productions ■この音源に近いアプローチをとるバンド Until Death Overtakes Me、Solicide Copyright © [ GARBOLOGY ] All Rights Reserved. http://garbology.en-grey.com/ |