フューネラルドゥーム追っかけブログ。
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清らかな教会が邪な存在に侵食される、チリのフューネラルドゥーム Lacrymae Rerum『MORTUI SEPELIANT MORTUOS』 ┃チリ ┃EP ┃ジャンル/アンビエント/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2006年 ┃レーベル/Beautiful Doomsday ┃マイスペース/http://www.myspace.com/lacrymaererum チリの独りフューネラルドゥームバンドのEP。3曲51分。DVDケース入りCDR。100枚限定。 アンビエント色が強く、演奏もそれに倣って、目立った動きはあまりせずにゆったりと音像を作り上げていく。演奏で聴かせることよりも雰囲気に浸らせることを目的にしているタイプで、ジャケのような神聖な教会内にいるようなアプローチを行い、そこから徐々に黒い靄の如く不穏な空気が入り込む。まるで、邪な存在が教会を侵食していく様子を思わせ、整然とした鐘の音が、厳粛な聖歌が、暗く堕落した音によって塗りつぶされる。音を聴くだけでもアンチキリストな思想が透けてきます。 EPですが何故かライブ音源のような感触。実際にそうなのかもしれませんが。 全体的にチープであるものの、地下バンドらしい妙な魅力も放っているので、物好きにオススメ。 【ピックアップ】03.De Profundis Clamavi In Tenebras 男女混合による心洗われるような聖歌。しかし即座に黒く染められていく。 ■こんな人にオススメ ・妙な雰囲気に浸りたい ・教会とか好き ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・WEIRD TRUTH ■この音源に近いアプローチをとるバンド Stabat Mater、WORSHIP PR 穏やかなムードから闇へ向かうフューネラルドゥーム/アンビエント Funeral Inconscientemente Natural『La Esperanza que Nunca se Pierde.. . Es la de Morir』 ┃チリ ┃1stアルバム ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム/アンビエント ┃リリース/2010年 ┃レーベル/SABBATHID ┃マイスペース/http://www.myspace.com/doomfin ほとんどアンビエントなので、このカテゴリーで扱うか悩みましたが、一応ここに載せておきます。 別々にリリースされていた曲を一纏めにした音源ですが、本来は1つの作品として構想されていて、今作はようやくフルレングスとしてリリースされたもの。ボーナストラックとしてライブ音源が収録。トータル4曲70分。 前半は、安らいだ雰囲気や、神聖な何かに祝福されているような感触が色濃いアンビエント路線を貫きますが、3曲目「 ...C'est Celle-là de Mourir 」では、淡々と鳴らされる重たいベースに、時折歪な叫びが遠くから聴こえてくる不穏な作りで、前半のおだやかなムードに影を落とす。おまけにこの曲だけ36分を超え、元々1つの作品として構想されていたのを考えると、かなり嫌な構成と言えます。 ドラムの音が入っている場面もあるにはありますが、凄く音量が絞られていて、楽曲に目立った影響は与えておらず、単なる音の素材という役割しか与えられていません。 ダークアンビエント好きに控えめに薦めます。 【ピックアップ】01.La Esperanza... 穏やかに揺り篭の中でまどろむような曲。 ■こんな人にオススメ ・ダークアンビエントが好き ・行き先は闇 ■主な入手方法 ・GRAVE ■この音源に近いアプローチをとるバンド Until Death Overtakes Me 発展途上のバンドばかりが集められたSplit音源 Lake of Depression / Crepuscularia Source of Deep Shadows / Quasar ┃Split ┃リリース/2006年 ┃レーベル/Endless Desperation Lake of Depression ┃パナマ ┃ジャンル/ドゥーム/デスメタル ┃マイスペース/http://www.myspace.com/lakeofdepression トラック1~4 ゴミ。好き嫌い以前の問題。あまりのチープさに笑えてきます。 後に続くバンドの印象を高める生贄的存在。 Crepuscularia ┃ロシア ┃ジャンル/デスメタル/フューネラル・ドゥーム トラック5~6 Lake of Depressionから通して聴いた場合は、本当に救いの神のように感じられますが、ごく普通の出来。ひたすら重低音で攻め立てる場面が多く、メロディはさほど導入されていない。 Source of Deep Shadows ┃ポーランド ┃ジャンル/ドゥーム/デスメタル ┃マイスペース/http://www.myspace.com/sourceofdeepshadows トラック7~10 垢抜けないところが多いものの、かなりメロディックに進行していくため、この本Splitの良心的存在。浮遊感を生み出すキーボードと、高らかに歌うようなギターのメロディが印象に残る。 Quasar ┃ロシア ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃オフィシャル/http://quasar.doom-art.ru/ トラック11 序盤は間延びした重低音をメインにして止まりそうなほどの遅さで進行。そこからややメロディが入ってくることで緊迫感が解けていく。後半にはトランペットが絡んでくる場面があるなど、単なるフォロワーで終わらない一面も。 ■こんな人にオススメ ・発展途上のバンドを知りたい ・好奇心>お金 ■主な入手方法 ・GRAVE ・WEIRD TRUTH ・Sabbathid Records ■この音源に近いアプローチをとるバンド Imindain、DEAD MONUMENTS、Ego Depths ストレートさが魅力のロシアのフューネラルドゥーム Funeral Tears『Your Life My Death』 ┃ロシア ┃1stアルバム ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2010年 ┃レーベル/Marche Funebre Productions ロシアの独りフューネラルドゥームバンドの1stアルバム。 名前がストレートなら、描いていく手法もストレート。なんら捻りのないフューネラルドゥームを聴くことができる。 遅さを生み出すこと以外行わない重低音ギターとドラム、音の表面に揺らめくように立ち現れる、主張しすぎないギターやピアノによる、ややゴシックテイストなメロディ、荘厳な雰囲気を補強するキーボード、曲にあわせて力なく呻くヴォーカルと、何から何までオードソックス。しかし、その真っ直ぐなところに、魅力を見いだすことができるのも確か。 下手をしたら見過ごしてしまいそうな、ほのかな切迫感に突き動かされ、足取りは遅いものの、歩みは止まらず、視線は一点を見つめている。このアルバムを最初から最後まで貫くひたむきさは、しっかりと真摯な姿勢で取り組んでいるからか。 後半へ向かうにつれて情感が増していく作りも良い。 このジャンルが好きであることを自覚した人ならピンとくるはず。それだけに、摘み食いで聴いている人には薦めません。 【ピックアップ】03.Funeral Tears バンド名を冠するだけあって、ハイライトの役割をこなせる出来。ありがちなメロディ。でも止まらない。 ■こんな人にオススメ ・ストレートな表現に弱い ・メロディックな音楽が聴きたい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・AMAZON ■この音源に近いアプローチをとるバンド Night of Suicide 恐怖を表現したいらしいC級フューネラルドゥーム The Liquescent Horror『A Funeral for Things Undying』 ┃アメリカ(アリゾナ州) ┃1stアルバム ┃ジャンル/アンビエント/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2009年 ┃レーベル/Satanarsa ┃マイスペース/http://www.myspace.com/theliquescenthorror 直球にフューネラルドゥームを演奏することよりも、逆に世界観を表現するための素材の一部として使用しているため、ゴシックアンビエントなパートが多め。まるで、80年代あたりのホラー映画のサウンドトラックのような、バタ臭いアプローチをかけてくる。 チープな音ゆえに、残念ながら恐怖感は得られず、行間から威圧感も滲み出ていない。ネタとしても中途半端。 フルレングスにもかかわらずトータルで35分しか収録されておらず、曲もこの界隈では短い。 物好き以外スルー推奨。または、CDRがレンジにて何分耐えられるのかの実験に、使用するのもアリだと思います。 【ピックアップ】02.The Dying Body, the Fleeting Soul アルバム最長。しかし6分。あまりの垢抜けなさに、なんだかモヤモヤしてきます。 ■こんな人にオススメ ・お金に余裕のある人 ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・GRAVE ■この音源に近いアプローチをとるバンド Womb of Decay チープな怨念を醸し出すフランスのC級フューネラルドゥーム Sektarism『L'Offrande』 ┃フランス ┃EP ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2008年 ┃レーベル/Insidious Poisoning 1曲17分収録EP。 延々と続く重低音リフにブラックメタルを彷彿とさせるヴォーカルが合わさる。メロディも入れず、起伏もつけない手堅いタイプで、殺伐とした雰囲気を出そうとしていますが、様々な部分がチープであるためか、家の中で恨みつらみを述べているスケールに留まる。単純に迫力不足です。 ドゥーム/スラッジのような叩きつけるタイプのリフが多く含まれているため、どちらかと言うとそちらのファン向けであるものの、他の価値観を用いて聴いても、C級作であることには変わりないかと。 物好き以外はスルー推奨。 【ピックアップ】01.L'Offrande 呪いを受けても腹痛程度で終わりそう。 ■こんな人にオススメ ・アングラ音源のボランティアがしたい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・はるまげ堂 ■この音源に近いアプローチをとるバンド FUNERALIUM 断末魔の叫びが縦横無尽に駆け巡るフランスのフューネラルドゥーム Disjecta Membrae『Taedium Vitae』 ┃フランス ┃EP ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2009年 ┃レーベル/Black Mass FUNERALIUMのメンバーによるフューネラルドゥームバンド。1曲19分収録EP。 反復される重低音リフを下地にして、幾多の叫び声、唸り声、嘆き声で空間を埋め尽くす。聴き手に不快感を植えつけることを目的に作られているとしか思えないサウンド。やはりヴォーカルの存在が大きく、臓腑から湧き出してくる思いを、そのまま一面へとぶちまける模様が繰り返され、怨嗟に塗れた声が無数に現れては、重なり交わって混沌を形成していく過程は圧巻。ただし、あまりにも演出過剰なきらいがあって、作為性が逆に際立つ感じに。 ほとんど一発ネタですがインパクトはあるので、物好きにとって素通りできない音源です。 【ピックアップ】01.Taedium Vitae 醒めない悪夢のような始まりと終わり。 ■こんな人にオススメ ・インパクトのある音源が欲しい ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・GRAVE ・はるまげ堂 ・WEIRD TRUTH ■この音源に近いアプローチをとるバンド Planet AIDS Copyright © [ GARBOLOGY ] All Rights Reserved. http://garbology.en-grey.com/ |