緩急がつき、耳に馴染みやすくなった4thアルバム。 SKEPTICISM『Alloy』 ┃フィンランド ┃4thアルバム ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2008年 ┃レーベル/Red Stream ┃マイスペース/http://www.myspace.com/officialskepticism 聴いた当初、とても聴きやすくなっていてビックリした覚えがあります。 これまでも、メロディアスな部分はありましたが、以前と違ってより耳に残りやすくなっているのは、単にメロディによるところだけでなく、緩急をつけたことが大きく影響していると思う。メインのところに差しかかったときに、テンポを落としたり、間をあけたりして、印象に残そうする場面が多々見られ、雰囲気に浸らせることよりも、曲そのものを聴かせようとする路線にシフトしています。 傑作であることには変わりなく、普段フューネラルドゥームを聴かないような人にも薦められるくらいの作品なのですが、これを気入って他の作品に手を出すと火傷するから注意。(というか低音火傷か) 元々のファンからすると「とても良いが本来の味はこれではない」と、少々複雑な思いを持ちそう。 【ピックアップ】05.Pendulum 刺すような冷気を感じる曲。聴くと世界にたった一人取り残されたような気分になる。 ■こんな人にオススメ ・根暗だけど若干落ち着いた人 ・地味好き ・ゴシック聴いてるよ ■主な取り扱い店 ・AMAZON ・T.H.A. ■この音源に近いアプローチをとるバンド Profetus、WIJLEN WIJ、Abstract Spirit PR
SKEPTICISM『Farmakon』
現時点で全アルバム中もっとも濃い作品。これまで通り感情を揺さぶるアプローチはとらず、暗黒世界のサウンドトラック的なことしかやってませんが、本作をもってその完成度を極めた感じ。
一度聴き始めたら、向こう側から手を引かれるようにズルズルとのめり込み、安易にストップボタンが押せなくなる妙な魔力があります。
【ピックアップ】04.
■こんな人にオススメ
■この音源に近いアプローチをとるバンド
SKEPTICISM『Aes』
1曲約28分入りEP。
■主な取り扱い店
■こんな人にオススメ
■この音源に近いアプローチをとるバンド
SKEPTICISM 『Lead and Aether』
初っ端から響くオルガンの音色。まるでこのサウンドの主役は自分だと言わんばかりに主張してきて、このバンドの特徴は“こんな”ですよとわかりやすく提示。名刺がわりとしてこれ以上ないイントロから始まる本作は、まさしくSKEPTICISM入門に適した音源だと言えます。
オリジナリティがあり、他のバンドと一線を画すところがあるにもかかわらず、とても薦めづらい悩ましい存在。これ聴いて地味すぎるとか言われても文句言えませんし……。
■主な取り扱い店
■この音源に近いアプローチをとるバンド。
SKEPTICISM『Stormcrowfleet』 THERGOTHONと並んでフューネラルドゥームの最重要バンドでありますが、現在進行形で活動を続けているにもかかわらず、レビューの数があまり見られないのは、リスナーに対する色目がまるでない作風ゆえなのか。とにかくこの周辺を探るリスナーに需要があるエモーショナルな部分は入れず、どこかの遺跡で佇んでいるような雰囲気や、暗黒世界を何の感慨を持たず旅するような描写ばかり繰り出し、カタルシスとは無縁な曲ばかり作ります。思うに、この人たちは自分の暗黒面と戦わずにあるがままに受け入れたタイプなのでしょう。全体的にすごく落ち着いてます。それが人によっては淡白に聞こえてしまうのかもしれません。 SKEPTICISMと言えば、やはりキーボード(オルガン)の存在。THERGOTHONでもキーボードは使われていますが、あくまで味付け程度。曲の主導権を握るほどに前面に出てくるのはこのバンドの特色の1つであり、フューネラルドゥーム界に6割ほどいるキーボード主体のバンドや、最近多いアンビエントに接近したバンドは直接的、または間接的な影響下にあって、本家は地味な存在でありながらも、このジャンルにもたらしたものは結構大きいです。 本作の話にフォーカスを当てますが、上で書いた独特のスタイルは1stにして完成系に達しています。ですが、これまでのカタログのなかで、音質の悪さも手伝ってもっとも取っ付きにくい作品、身も蓋もない言い方をしてしまえば特に地味な作品となっていますので、興味がある人は他のアルバムから入ったほうがよいと思われます。 【ピックアップ】02.Pouring ■主な取り扱い店 ■この音源に近いアプローチをとるバンド
THERGOTHON 『Stream from the heavens』 もうすでに所持している人は、一度集中して聴いてみるのもいいかもしれません。新たな発見があるはず。 ■主な取り扱い店 ■この音源に近いアプローチをとるバンド。 すべてはここから始まった。フューネラルドゥームの始祖によるDEMO音源。 THERGOTHON 『Fhtagn-nagh Yog-Sothoth』 ┃フィンランド ┃DEMO ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/1991年 ┃レーベル/EIBON RECORDS ┃マイスペース/http://www.myspace.com/thergothon THERGOTHONの記念すべきDEMO音源。 1990年初頭、デスメタルやグラインドコア勢などが出現し、エクストリーム嗜好の高まりに導かれるまま、過激さや速さを競い合っていた地下の地下では、極限までテンポを落すことにより、どのような表現ができるかを探る逆の動きもありました。その中でも特に極端な音を出していたのがこのバンド。 本作は、後にフューネラルドゥームというジャンルを形作る上での種火にあたる音源ですが、特徴の1つである、沈み込むような印象を与えるほどにスローなギターのアプローチも片鱗ほどしか拝めず、まだまだ鈍重に振るわれるリフをメインとしたドゥーム/デスメタル色が濃く残っている。 ジャンルとジャンルを繋ぐミッシングリングを埋める1枚であるものの、音質も悪く、リピートするには厳しく、確実にマニア向け。フューネラルドゥームをある程度聴いた人だけがルーツを辿る目的で、入手したほうがよろしいかと。 【ピックアップ】02.Evoken 某USバンドが名前に拝借した曲。 骨太にゆっくり責めるドゥーム/デス曲であり、メロディはあってもどこか禍々しく怪しげな仕上がりになっている。 ■こんな人にオススメ ・根暗で物好きな人 ・ルーツを知りたい人 ■主な取り扱い店 ・はるまげ堂 ■この音源に近いアプローチをとるバンド Mournful Congregation、Somnolent、Maiden Voyage
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