遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
去年は冗談ではなく本当にフューネラルドゥームな更新速度でしたが、せめて今年は普通のドゥームな頻度で更新したいです。(あまり反省していない)
以下、レビューアーの行事的なアレ。
2010年は苦手だったデスコアの良さがわかりはじめた年でもありましたが、ランキング見ると1つしか入ってないね。こんなもんです。
あいかわらず、フューネラルドゥームという文字を確認するとすぐに通販してしまう性格なので、やっぱり(特に家では)そればかり聴いてました。
Eaとか、Lethargy Of Deathとか、The Howling Voidとか、F.I.Nとか、シンフォ系のリリースが多かったような印象があります。
再発になるけどOF DARKNESSも名前どおりデロデロな世界観を演出してて良かったし、沖縄産であることと、アニメ的な意味で話題になったSATENも、NORTTのアンビエント部分を強調したような感じでとても好みでした。後者は、話題の上がり方が上がり方なもんですから、最初から色物として聴いてしまう人が多かったのがもったいなかった。褒めてはいけない、ネタとして扱わないといけないという空気が出ちゃったのが少し不幸としか。
ともかく2009年に比べるとあまりCDは購入していませんが、良い収穫が多い年でありました。なにしろ1位が3つあるし。……どちらも好みすぎて選べなかったです。この気に入りようを考えると、恐らく一生モノになる思う。
≪1≫THE OCEAN 『Anthropocentric』
ポスト・スラッジ

信者ですがなにか?
マンネリなんてどこ吹く風。もう5作目ですよ。そろそろ前作の劣化コピーなんて出したり、迷走してもおかしくないところにきているのに、この充実感はなんですか? これだから信者やめれないんですよ!
前編にくらべ攻撃的なギターが目立ち、歯切れの良いリフがわんさか聴ける。しかも、ありがちなものはあえて避けている。ありがちな部分はないわけではないけど、どういうわけかパッと聴き違う印象を受ける。
どういうことだ。
http://www.myspace.com/theoceancollective
≪1≫THE OCEAN 『Heliocentric』
ポスト・スラッジ

信者ですがなにか? パート2。
本作は「Firmament」につきます。THE OCEANでないと考え出せないヒネたギターリフに、ドラムの独特のタイム感、静寂パートを挟んだあとのヴォーカルの熱唱等、どういう脳の構造をしていたらこんな曲が作れるんでしょうか。後期THE OCEANのエッセンスがすべて入ってると思うので、個人的に代表曲と捉えています。
ほか、ピアノをバックに熱唱している曲があったり、面食らうことが多かったアルバムでしたが、聴きこむごとにのめり込めました。
http://www.myspace.com/theoceancollective
≪1≫Ea 『Au Ellai』
フューネラル・ドゥーム

前作からあまり間を置かずにリリースされたにもかかわらずこのクオリティー。感服です。
大絶賛した前作とは路線が若干異なりますが、同じくらい大絶賛します。
初っ端からエモーショナルなギターのメロディからしてヤバイ。その後は嫌というほどの神秘的なアプローチの畳み掛け。大仰なのにあざとくないので、自分みたいなヒネくれたネガティヴ人間にとっては、これ以上ない希望の音楽でした。
http://www.myspace.com/EaFuneralDoomMetal
≪4≫Univers Zero 『Clivages』
チェンバー・ロック

なんか久しぶりな気がするユニヴェルの新譜。基本的に最近の聴きやすい路線なのですが、所々初期にあった毒気がズルリと表面化する場面があるので気が抜けないです。
展開が豊富なので聴きこむのが楽しい。
http://www.myspace.com/universzero
≪5≫Solution 45 『For Aeons Past』
メロディック・デスメタル

信者ですがなにか? パート3
もうクリスチャンが低音で吼えて高音で歌えば、なんでも良く聴こえてきてます。末期です。はい。
ああ、でも普通にクオリティは高いですよ? 誤解なきよう。
http://www.myspace.com/solution45
≪6≫Cenotaph 『Putrescent Infectious Rabidity』
ブルータル・デスメタル

ブルデス好きの間で話題になったのはDefeated Sanityの新譜でしたが、自分はこちらのがほうが好みでした。
全編とにかく走る走る。このまえのめり感にKO。
http://www.myspace.com/cenotaph
≪7≫Trigger the Bloodshed 『Degenerate』
デスコア

音圧スゴッ。まさしくジャケ画に描かれている重戦車がなにもかもを踏み砕き蹂躙しているかのよう。
http://www.myspace.com/triggerthebloodshed
≪8≫Eyes Set to Kill 『Broken Frames』
スクリーモ/メタルコア

ぶっちゃけ、メタルコアに飽きた年でもありましたが、そういうときにこのような作品が出てくるので世の中わかりませんね。
アルバム半数近くシングルカットできそうなキャッチーで耳残りが良い曲ばかり。
http://www.myspace.com/eyessettokill
≪9≫The Howling Void 『Shadows Over the Cosmos』
フューネラル・ドゥーム

Eaと路線は被ってますが、前作の凡庸さを思い出すとかなりレベルアップしています。特に1曲目は代表曲にしてもいいくらいの完成度。悲観と諦観が混ざったようなギターのメロディが印象的。胸が痛くなるけど、聴くと憑き物が落ちます。
http://www.myspace.com/thehowlingvoid
≪10≫Clinging to the Trees of a Forest Fire 『Songs of Ill Hope and Desperation』
カオティック・グラインド

久々に聴いた激烈モノ。BRAIN DRILLのように「音の密度は高いが、印象は爽やかでスポーティー」というバンドは増えましたが、殺気を含ませたタイプは見られくなったせいか、より懐かしく感じる。
なにがなんだかわからない激走グラインドパートと、心の底まで抉るような激重スラッジパートを交互に繰り出す、2010年リリース作の中でも、他の追従を許さないエゲツなさでした。
http://www.myspace.com/clingingtothetreesofaforestfire
ではでは今年もよろしくお願いします。
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