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フューネラルドゥーム追っかけブログ。

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先人達の良さを上手く取り込んだアメリカのスラッジコア

The Abominable Iron Sloth『The Id Will Overcome』
┃アメリカ(シカゴ)
┃2ndアルバム
┃ジャンル/スラッジ・コア
┃リリース/2010年
┃レーベル/Black Market Activities (Metal Blade)

 優等生中の優等生バンド。
 やっていることは何のひねりもないスラッジコアそのもの。新しい要素や遊び心は皆無。愚直なほどにEYEHATEGODやGriefの影響受けたサウンドを繰り広げている。しかし、このジャンルの良さをしっかりと理解し、曲を組み立てるのに長けていて、幾多あるフォロワーの中でも完成度は抜きんでて高い。おまけに、10分を超えることが当たり前なこの界隈において、1曲を除きすべて4分以下というコンパクトさが聴きやすさ、入りやすさに拍車をかけている。つまりスラッジコアの入門として使え、このジャンルを敬遠していた人でも気に入る可能性がある作品です。
 楽曲はどれもこれもコンパクトかつストレートで、図太い轟音をゆったりゆったり振り回し、時折カオティックに、グルーヴィーにささくれ立った殺伐ムードを作り出す。
 フォロワーもここまで来れば大したものだと思う。



【ピックアップ】07.The Id Will Overcome
 表題曲。スラッジコアの魅力炸裂な豪快リフが気持ちいい。

■こんな人にオススメ
・怒りたい気分
・すれてる

■主な取り扱い店
・AMAZON
・diskunion

■この音源に近いアプローチをとるバンド
EYEHATEGOD、Grief、IRON MONKEY
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胸いっぱいに憎悪を取り込み、苛烈に吐き出すGAZAの1stアルバム

GAZA『I Don't Care Where I Go When I Die』
┃アメリカ(ソルトレイク)
┃1stアルバム
┃ジャンル/カオティック・ハードコア
┃リリース/2007年
┃レーベル/Black Market Activities(Metal Blade)
┃マイスペース/http://www.myspace.com/gaza

 一言で例えるなら「傷を負った獣」
 Dillinger Escape Plan、Converge等から発展したカオティックハードコアを演奏しているが、これらのバンド特有の、激音の中に見え隠れするインテリジェンスさは皆無。むしろそのようなことを考える余裕がないとでも言うような、理性の飛んだままに、力を振るう作風となっている。おまけに、単純に力あるものが力を振るうのではなく、冒頭で書いた通り、根っこの部分にどうしようもないほどの憎悪を溜め込んで、それをエネルギーに、自分を傷つけた相手を執拗に追い回す粘着質なイメージが、他と一線を画す要因であり、同時にこのバンドの売りになっている。
 ブラストなども使われていて、ドラムだけ聴くと速いのだけれど、それ以上に、時折差し込まれるスラッジなパート、ねじくれたリフワークにより体感速度そのものは遅め。特筆すべきはヴォーカルで、怨念を込めた唸り声、感情が暴発したような叫びが鬼気迫っていて、本作がこうも真っ黒になった原因の7割方は、この人によるところが大きい。
 最初から最後まで呪詛撒き散らしているので、後半が単調になっているのが欠点だけど、黒く過激な作品を好む人に対して強く勧めます。

 噎せ返るほどの負の感情が詰め込まれた1枚。



【ピックアップ】01.Calf
 スラッジをバックに殺気を振り撒きながら唸ったかと思えば、いきなり臨界点に達する。先の読めない精神の不安定さが怖い。

■こんな人にオススメ
・自分は他人からバカにされやすい
・感情を内に溜め込んでしまうタイプ

■主な取り扱い店
・AMAZON
・GRAVE

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Clinging to the Trees of a Forest Fire、Eryn Non Dae.


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反復と即興演奏を主に紡がれる狂乱の宴、フランスの暗黒チェンバー

Shub Niggurath『Les Morts Vont Vite』
┃フランス
┃1stアルバム
┃ジャンル/チェンバー・ロック
┃リリース/1986年
┃レーベル/Gazul

 ジャケだけ見ると完全にブラックメタル。とてもプログレ関連の作品とは思えない。MAGMAやUNIVERS ZEROなどからの影響が窺えるサウンドだけど、これらのバンドよりも深く闇に浸かっている。
 執拗な反復に、どこか壊れた即興演奏が飛び交うスタイルで、反復部分は淡々と儀式をしているようで気味が悪く、それに乗っかる、怨霊が出しているとしか思えないソプラノヴォイス、単純に音そのものが怖いオルガンの響きが演出効果を高めており、何か如何わしい場所に迷い込んだかのような感覚を覚える。ギター、トロンボーンやピアノによる即興が顔を出す場面にせよ、スロウに神経を逆撫でする音を出す、縦横無尽に引っ掻き回すなど、とても通常の精神状態によるものとは思えず、イメージできるのは、自らが生み出す奇々怪々な音に酔い、涎を垂らしながら一心不乱に演奏している姿だけ。
 印象的なメロディやフレーズは盛り込まれておらず、奇怪に走り回る即興がメインと言える作品なので、聴きなれていない人にはやや厳しい内容かと。



【ピックアップ】02.Cabine 67
 走り出しそうなピアノに、ドラムが時折絡んでいき、次第にいっしょに走り出す。珍しく躍動感があるが、やっぱり呪術的。

■こんな人にオススメ
・ダークサイドの人間
・即興演奏が好み

■主な取り扱い店
・AMAZON
・WORLD DISQUE

■この音源に近いアプローチをとるバンド
UNIVERS ZERO、ART ZOYD、MAGMA


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ドゥーム界の重鎮と若手によるSplit作

EVOKEN / Beneath the Frozen Soil
┃Split
┃リリース/2010年
┃レーベル/I Hate

EVOKEN
┃アメリカ
┃ジャンル/デスメタル/フューネラル・ドゥーム
┃マイスペース/http://www.myspace.com/evoken
 キーボード含め三人が加入、6人体制になってからの初の音源。どうしようもない暗さこそ4thアルバムに劣りますが、ギターのメロディといい、ここぞという瞬間を逃さない盛り上げ方といい、ベテランらしい完成度の高さなので中身は充実してます。メンバーの人数増加のため、単純に展開に幅が出てて良い。「Vestigal fears」の悲劇を思わせるシンフォニックな部分は、以前の布陣では出てこなかっただろうし。これは次のアルバムが期待できそうです。

Beneath the Frozen Soil
┃スウェーデン
┃ジャンル/デスメタル/ドゥーム
┃マイスペース/http://www.myspace.com/btfs
 メロディはあるものの味付け程度で、あくまでもメインは重低音リフ。ミドルテンポでズッシリズッシリ進行するスタイル。
 EVOKENの後に収録されているので少しかわいそうですが、それなりに善戦していると思う。
 今のところ新しいところはないのですが、これからどうなるのか少しだけだけど楽しみではあります。

■こんな人にオススメ
・EVOKENが好き
・遅いけど展開は多目がいい

■主な取り扱い店
・AMAZON
・Weird Truth
・GRAVE
・はるまげ堂

■この音源に近いアプローチをとるバンド
My Shameful、Esoteric


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重低音メイン多目で、さらにドロドロでカオスなムードな4thアルバム

EVOKEN『A Caress of the Void』
┃アメリカ
┃4thアルバム
┃ジャンル/デスメタル/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2007年
┃レーベル/I Hate
┃マイスペース/http://www.myspace.com/evoken

 キーボード担当が抜けたおかげか、一応これまで通り使われているものの、目立った使われ方は減少しました。それゆえ、より、押し潰す重低音リフが際立っています。それなのに、残響音による空間の演出はこれまで通り行われているので、奥行きがあっても、イメージされる空間は狭い印象を持ち、結果的に閉塞感が増してます。おまけに音そのものに、どこか粘っこい感触があり、アートワークの影響なのかも知れませんが、聴いていると深緑色の汚泥にズブズブと侵食される気持ちになっていく。前作もドス黒い1枚でありましたが、今作はさらに黒く、陰惨たる死の匂いが充満している。
 エネルギーというものは有限で、たとえ無から生み出す創作とて限りがあります。活動し、表現する課程でどうしても元々あった鬱屈や、毒気は薄れていくものですが、もうベテランと言ってもいいバンドなのにもかかわらず、深みが増していくのはどういったことなのか興味が尽きません。

【ピックアップ】01.A Caress of the Void
 重低音が襲いくる前のタメが怖い。バックで鳴っているキーボードも圧迫感を強めていて、一気に日常の空気が消し飛ぶ。

■こんな人にオススメ
・精神真っ暗
・闇と戯れたい

■主な取り扱い店
・AMAZON
・Weird Truth
・GRAVE
・はるまげ堂

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Hyponic、Esoteric、Of Darkness


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底知れない怨念渦巻く、EVOKEN本領発揮な3rdアルバム

EVOKEN『Antithesis of Light』
┃アメリカ
┃3rdアルバム
┃ジャンル/デスメタル/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2005年
┃レーベル/AvantGarde Music
┃マイスペース/http://www.myspace.com/evoken

 前作の聴きやすさ、さっぱりした雰囲気はどこへやら、聴く者を暗黒の底無し沼へと引き摺り込む、ドス黒いサウンドを聴かせてくれます。
 基本的な曲の構造自体は過去作となんら変わりはないにもかかわらず、受ける印象がまったく違う。まず、始まりからして異形の生物が、ゾワゾワと蠢く様子を思わせる音を出しており、これがアルバム全体の空気を決定つけている。ところどころ前作を思わせる綺麗なメロディが聴けるが、イントロのおかげで暗黒を賛美しているようにしか聴こえない。もうひとつの要因はキーボードで、ドラマティックに盛り上げるところはそのままだけど、音そのものが女性の悲鳴、唸り声、お経を引き伸ばしたような部分があり、気味が悪くなっている。
 最初から最後まで真っ暗。全体を通して、あわよくばより深い混沌へと取り込もうとする意思が感じられ、いったい何があったのかと思わずにいられない。

 この作品をもってEVOKENの名が広まった印象。これが代表作でしょう。



【ピックアップ】02.In Solitary Run
 不気味なムードを引き継いでの2曲目。ブラストが使われているが、体感速度は遅く、より深く下降していくイメージしかない。

■こんな人にオススメ
・精神真っ暗
・闇と戯れたい

■主な取り扱い店
・AMAZON
・Weird Truth
・GRAVE
・はるまげ堂

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Hyponic、Esoteric、Of Darkness


Quietus.jpg

ゴシックな装飾が多くなり聴きやすくなった2ndアルバム

EVOKEN『Quietus』
┃アメリカ
┃2ndアルバム
┃ジャンル/デスメタル/フューネラル・ドゥーム
┃リリース/2001年
┃レーベル/AvantGarde Music
┃マイスペース/http://www.myspace.com/evoken

 前作にもキャッチーなメロディはありましたが、今作ではそういった面が格段に増えており、かなりゴシックドゥームに接近しています。ドラマティックに演出するキーボード、憂いおびたチェロなども効果的に使われて、音の種類が豊かで展開に幅を与えている。おかげでこのバンドにしては暗さは控えめで、かなり聴きやすくなってます。入門に最適かも。
 提示する世界観こそ違いますが、世界観の描き方がSkepticismに近いところがあるように思う。感情的なところは避けて、非常に抽象的なんだけれど、曲展開に物語性があるところとか。他の作品でも近いところはありましたが、特に今作ではそれが強く感じられます。

【ピックアップ】05.Quietus
 表題曲。重低音で圧していく緊張感のあるパートと、チェロが表にでてくるパートの対比が良い。

■こんな人にオススメ
・ダークサイドに興味がある人
・闇に呑まれたい

■主な取り扱い店
・AMAZON
・Weird Truth
・GRAVE
・はるまげ堂

■この音源に近いアプローチをとるバンド
Ataraxie、Esoteric、Abstract Spirit





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